写真は「2026 パートナーズデー」であいさつするLG Energy Solution社長(写真=LG Energy Solution)

LG Energy Solutionは9月1日、米リチウム開発企業Smackover Lithiumと炭酸リチウムの長期供給契約を締結したと発表した。2029年から10年間で計8万トンを調達し、米インフレ抑制法(IRA)への対応と北米のサプライチェーン強化につなげる。

Smackover Lithiumは、Standard Lithiumとノルウェー国営エネルギー企業Equinorが設立した合弁会社。LG Energy Solutionは、同社が量産を始める2029年から炭酸リチウムの供給を受ける。調達量は、航続距離500km超の電気自動車約180万台分に相当するという。

Smackover Lithiumは、米アーカンソー州の「South West Arkansas Project」で、リチウムを直接抽出するDLE技術を用い、炭素排出を抑えた炭酸リチウムを生産する計画だ。

北米では電力需要の増加を背景に、蓄電システム(ESS)市場が拡大している。LFPなど電池正極材向けの現地サプライチェーンの確保も重要性を増している。

炭酸リチウムは、LFP電池や三元系電池の主要原料だ。高性能三元系電池に使う水酸化リチウムと並び、電気自動車やエネルギー転換市場を支える重要鉱物とされる。LG Energy Solutionは今回の契約を通じ、拡大する炭酸リチウム需要への備えを進める。

同社は、米国内で環境配慮型プロセスを通じて生産された炭酸リチウムを確保することで、IRAの適用要件を満たすとともに、サプライチェーンとESG面の競争力を高める狙いだ。北米で8カ所の生産拠点を運営する同社は、原材料調達から電池生産までの供給体制を一段と強化する。

LG Energy Solutionはこれまでにも、世界最大のリチウム生産企業であるチリのSQMと、水酸化リチウム・炭酸リチウムあわせて10万トン規模の長期供給契約を締結している。豪Liontownとも、175万トン規模のリチウム精鉱の供給契約を結んでいる。

今後も主要鉱物の生産国で先行する企業とのパートナーシップを広げ、安定した原材料サプライチェーンの構築を進める方針だ。

Standard LithiumのCEOは「世界的な電池メーカーであるLG Energy Solutionと今回の契約を締結できたことは非常に意義深い」とコメントした。そのうえで、「米国産の炭酸リチウムを長期かつ持続可能な形で供給し、両社がともに成長できるパートナーシップを築いていく」と述べた。

LG Energy Solutionで購買センター長を務める専務は「Smackover Lithiumとのパートナーシップは、北米の戦略市場で環境配慮型に生産された主要鉱物を確保し、サプライチェーンの安定性を高めた成果だ」と強調した。さらに「米国での現地生産と原材料調達を通じ、競争力と持続可能性を備えた製品を提供していく」と語った。

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