Strategyが、MSCIのグローバル株価指数の組み入れ基準見直し案に反対を表明した。ビットコインを大量保有する企業が指数から除外される可能性があるとして、同社は書簡を送り、差別的かつ恣意的な基準だと反発している。
8月31日付のBitcoin Magazineによると、MSCIはStrategyを「グローバル投資可能市場指数」から除外し得る新たな基準の導入を検討している。これを受け、StrategyはMSCIに書簡を送り、見直し案の撤回を求めた。
焦点となっているのは、MSCIが今月初めに示した「非運営企業」の定義新設案だ。MSCIは、この区分に該当する企業をグローバル投資可能市場指数の組み入れ対象から外すことを検討している。導入されれば、Strategyのようにビットコインを大規模に保有する企業が、機関投資家の運用指標となる主要指数から外れる可能性がある。
書簡では、創業者のマイケル・セイラー氏とCEOのポン・レ氏がMSCIの対応を正面から批判した。MSCIはデジタル資産を継続的に差別しており、指数算出機関としての中立性や信頼性にも疑問があると主張。今回の提案についても、2025年に撤回された案と同様に、差別的で恣意的、かつ不適切だと訴えた。
MSCIは2025年にも、デジタル資産の保有額が総資産の50%を超える企業を指数から除外する案を示したが、その後撤回している。Strategyは今回の提案を、実質的に同じ方向を目指す2度目の試みと位置付けている。同社は、仮に採用されても自社事業への実質的な影響は限定的としつつ、MSCIの評判には大きな打撃になり得るとして、現行案の取り下げを求めた。
争点の一つは、ビットコインをどのような資産として扱うかにある。Strategyは、MSCIがビットコインを「非運営」資産とみなすため、前例のない分類基準に依拠していると指摘した。一方で同社は、ビットコイン事業を事業セグメントとして開示しており、ビットコインの評価損益も運営費用として処理していると説明している。
また、Strategyは、非運営企業を対象とするMSCIの方法論についても、恣意的で説明が不十分だと批判した。この基準は、ビットコインを財務戦略に組み込む企業を、明確な根拠なく排除する手段になりかねないと主張している。さらに、世界で1500人を雇用し、ビットコインを活用して株主価値を創出しているとして、自社は明確な運営企業だと強調した。
市場では、今回の論争が単なる分類基準の問題にとどまらず、機関投資家マネーの流入経路にも影響しかねないとの見方が出ている。MSCI指数は大手機関投資家が参照する代表的な指標の一つであり、除外の可否は、ビットコインを財務資産として保有する企業の市場での存在感や投資資金へのアクセスに直接影響する可能性がある。
Strategyは、もともとMicroStrategyとして知られた法人向けソフトウエア企業。2020年以降はビットコインの購入・保有戦略へと軸足を移し、現在は企業として最も多くのビットコインを保有している。保有量は84万5050BTCで、足元の価格ベースでは約658億ドルに相当する。投資家の間では、Nasdaq上場株のMSTRを通じてビットコイン価格へのエクスポージャーを高める手段として活用されてきた。
株価もこの動きに反応した。MSTRは31日の取引を前日比4%高で終えた。ただ、年初来では15%安となっている。
今回の問題は、ビットコインを貸借対照表に計上する企業を、既存の株価指数の枠組みの中でどう位置付けるかという論点にもつながる。MSCIが最終的にどの基準を採用するかによっては、Strategyにとどまらず、デジタル資産を中核的な財務戦略とする企業の指数組み入れ環境にも影響が及びそうだ。