Superb AIは9月1日、国立消防研究院と共同で、地下駐車場内の電気自動車(EV)火災を早期に検知するAIモデルを開発したと発表した。バッテリーの熱暴走初期に発生する微量な煙の検知に特化しており、従来方式と比べて検知時間を65%短縮し、誤報率を80%低減したとしている。
同モデルは、公開データで学習した従来型の火災検知システムとは異なり、地下駐車場やEVの車体下部で発生する薄い煙のほか、離れた位置で発生する煙も認識できるよう設計した。
学習用データセットの構築では、火災、煙、車両の各オブジェクトについて10万枚規模の画像データを加工・整理した。実際の火災事故データと、制御環境で取得した実験データを組み合わせたほか、発生頻度の低い希少事例については生成AIで合成データを作成し補完したという。
データセットの品質管理には、Superbプラットフォームの「Scatter View」を活用した。データを類似度ごとに可視化し、火災や煙に関するデータの分布やパターンを確認しながら精度を高めたとしている。
モデルは、エッジデバイス上で動作するリアルタイム監視システムとして実装した。クラウドを介さず現場で映像を解析し、既存のCCTVインフラを活用して導入できるという。火災を検知すると、警告表示と音声アラームで即時通知し、検知履歴をログとして残す。同一ネットワーク内のPCからローカルのWebサーバーにアクセスすれば、外部サーバーを介さずに検知状況を確認できる。
両者は現在、研究の最終段階を進めており、小型エッジデバイスでもリアルタイムで動作するようモデルの軽量化を進めている。現場導入向けの普及モデルとして完成させる方針で、研究完了後は「数メートルの距離で何秒以内に認識できるか」といった定量的な試験基準を導き出し、今後のEV火災検知システムの性能基準策定に活用する予定だ。
Superb AIのキム・ヒョンス代表は、「今回の研究は、公開データだけでは学習できない現場固有の条件を、特化型データセットと合成データで補い、そのモデルをエッジ環境でリアルタイム運用した事例だ」とコメントした。そのうえで、「データ構築からモデル開発、現場検証まで、AI導入を継続的にリードしていく」と述べた。