米The Verge元副編集長のテックジャーナリスト、アレックス・ヒース氏が、OpenAI本社での取材内容を自身のニュースレターで公開した。次世代モデル「Astra」の実力に加え、AGI開発の進捗、組織再編、ロボット事業やハードウェア戦略の一端も明らかになった。
ヒース氏は米TIMEと協力し、サンフランシスコのOpenAI本社に2週間滞在した。幹部、投資家、顧客、競合関係者ら20人超に取材し、「Inside OpenAI's Reboot」と題するカバーストーリーを執筆した。
なかでも注目を集めたのが、次世代モデル「Astra」だ。8月初旬にVIP顧客向けの限定デモが開かれ、OpenAIはAstraが複数のAIエージェントを同時に連携させ、数学の証明問題を解き、デスクトップアプリを素早く操作し、スライドや財務レビュー用の資料を作成する様子を示した。
ヒース氏によると、Astraは数日から数週間にわたる作業をこなし、修正指示を踏まえながら、ほかのエージェントや人間と協業できるよう設計されている。サム・アルトマンCEOは「本当に意味のある新しいものを生み出す最初のモデルになる」と語った。
AGIを巡る発言もあった。アルトマン氏は、年内にも社内で「AGI」と呼べるシステムを備える可能性があると述べた。マーク・チェン最高研究責任者は、目標の8割まで到達したとの認識を示し、グレッグ・ブロックマン社長は、現在が後に「AGIが生まれた時期」として記憶される可能性に言及した。
研究の自動化でも進展があったという。ヤクブ・パチョツキ主任科学者は、Astraが実験のアイデアをコードベースに直接実装し、実験を実行して結果を得られると説明した。研究者なら1週間かかる論文関連の作業も処理できると強調する一方で、研究全体の方向性を自律的に決める段階には至っていないとも述べた。
OpenAIは組織再編も進めている。ChatGPTを初期から率いてきたニック・ターレイ氏は、今後は業界別のエンタープライズ製品を担当する。ロボット事業も再始動しており、アルトマン氏は最終的にヒューマノイドロボットの開発を目指す方針を明らかにした。
アルトマン氏は、個人向けロボットに先立ち、データセンター建設や「ロボットを作るロボット」といった用途が先行するとの見通しも示した。
ジョニー・アイブ氏と開発する初のハードウェアは、机上に置いて使うタイプになる見通しという。アルトマン氏は、カメラや照明を備えた眼鏡型デバイスについて、相手に不快感を与える可能性があるとして好まない考えを示した。
計算資源の外部販売を巡る議論にも触れた。アルトマンCEOは「当面はない。今ある計算資源でも足りていない」と述べた。計算資源を担当するウダイ・ルダラジュ氏は「もっと計算資源があれば、昨年の売上はさらに伸びていたはずだ」と語った。