Cohereは、文書解析向けAIモデル「Parse 5」を発表した。PDFやスライド、画像を構造化Markdownに変換するモデルで、性能面では一部の上位モデルに届かない一方、API価格を1000ページ当たり1.50ドルに設定し、コスト競争力を訴求している。
Parse 5は、23億パラメータ規模の視覚言語モデル。Cohereは、絶対的な精度よりもコストパフォーマンスを重視した設計だと説明している。
独自ベンチマーク「ParseBench」では、表、コンテンツ忠実度、意味的な書式の3項目平均で79.2点を記録した。GPT-5.5の84.4点、Opus 4.8の84.3点、Gemini 3.5 Flashの81.8点は下回ったが、LlamaParse、Mistral OCR 4、Databricks AI Parse、Azure Document Intelligenceは上回った。
API価格は1000ページ当たり1.50ドル。大量処理を行う企業向けには、単一テナント型プラットフォーム「Model Vault」も提供する。
処理方式では、各ページを画像として認識し、視覚言語モデルによる1回の推論で結果を出力する。OCRと解析モデルを分けて処理していた従来方式を統合した。
CohereでAI検索部門のバイスプレジデントを務めるニルス・ライマース氏は、「文書解析の難しさは、構造や意味を保ったまま情報を抽出することにある」と説明した。さらに、「多くのツールは構造情報を十分に拾いきれず、高性能モデルでも複雑なレイアウトのページでは誤認識が生じる」と指摘した。
その上で同氏は、年間7億5000万件の文書を処理する金融サービスの業務フローをシミュレーションした結果、GPT-5.5の代わりにParse 5を使えば、コストを98%超削減できたと述べた。