Teslaが9月3日にオースティンで開くCybercab発表イベントを巡り、1000台超のロボタクシー投入計画を打ち出す可能性が浮上している。一方で、市場の関心は発表台数そのものではなく、1カ月後に実際に道路上で稼働している車両がどの程度に達するかに移っている。Electrekが8月28日報じた。
Electrekは、今回の注目点はイベント当日の発表内容より、その後の実運用台数にあると指摘した。
Cybercabは、2024年10月の「We, Robot」イベントで初披露された2人乗り車両だ。Teslaは当時、ハンドルやペダルを備えない構造やバタフライドアを示し、価格は3万ドル未満と説明していた。
今回のイベントも、完全な新型車の初公開というより、すでに披露済みの車両を実用化段階に進める発表になる可能性があるとの見方が出ている。
Teslaは今回、Cybercabを既存のロボタクシーサービスに投入する方針を示すとみられている。展開先としてはオースティンが優先され、7月にロボタクシーサービスを開始したタンパ、オーランドに加え、ダラスやヒューストンも候補に挙がっているという。
イベントでは、ハンドルやペダルを備えず、安全監視要員も置かない運用形態が前面に押し出される可能性が高い。走行ソフトウェアは、Model Yベースのロボタクシーで使われていたものと同じFSDベースになる見通しだ。
最大の発表内容は、フリート規模になるとの見方がある。TeslaはCybercabを1000台超、一度に配備する計画を示す可能性があるが、発表された台数と実際に稼働する台数が一致するとは限らない。
現在のTeslaのロボタクシーについては、週ベースのアクティブ運行車両が50台前後、日ベースでは20台程度にとどまるとの観測がある。完全無人運行車両も、春ごろに約25台まで増えた後は、伸びが止まったか減少したとされる。
制約要因は車両供給ではなく、安全検証にあるとの見方も強い。イーロン・マスク氏は投資家に対し、事業拡大の制約として「厳格な検証」に言及しており、TeslaはFSDの作り直し後の拡大を待っていると明らかにしている。
このため、仮に1000台超のCybercab投入を発表しても、実際に道路上で運行される台数は大幅に少なくなる可能性がある。
Cybercabの強みとしては高い電力効率が挙げられる。1マイル当たりの消費電力は165Whで、Tesla車の中でも最も効率が高く、Model Yより運用コストを抑えられる可能性がある。
ただ、ボトルネックは車両効率や生産量ではなく、大規模サービスに必要な走行安全性と運用安定性にあるとの指摘が出ている。
今回の発表の成否は、イベント当日ではなく、その後の実運用実績で判断される公算が大きい。10月になっても無人運行車両が数十台規模にとどまれば、2024年の初披露時と同様、演出先行の再発表と受け止められる可能性がある。