マーク・ベニオフCEO 写真=Salesforce公式サイト

Salesforceのマーク・ベニオフ最高経営責任者(CEO)は、9月に開催する年次カンファレンス「Dreamforce」で、企業向けAI基盤「AIforce」を本格的に紹介する方針を明らかにした。企業データや業務フローをAIエージェントに接続しながら、データを保持せずに安全に連携させる仕組みとして打ち出す。

米Constellation Researchは26日(現地時間)、こうした方針を報じた。AIforceは、Salesforceが過去3年にわたり開発してきた「エンタープライズ向けハーネス」に当たるという。

ここでいう「ハーネス」は、複数の業務システムとAIモデルの間で、データ、アクセス権限、業務コンテキストをつなぐ中間レイヤーを指す。AIが企業システムを無秩序に扱うのを防ぎつつ、必要なデータを安全に受け渡す役割を担う。

ベニオフCEOは、第2四半期決算発表後のカンファレンスコールで詳細には踏み込まなかったものの、AIforceについて、追加の大規模な統合作業を要さずに企業データと業務フローをAIエージェントへ接続する基盤だと説明した。

SalesforceはAnthropicとの協業の一環として「Claudeforce」も発表した。Salesforceがデータとコンテキストを提供し、Claudeが質問応答や推論を担う統合サービスと位置付ける。AIforceを基盤とするClaudeforceは、データを保持しない方式で動作し、企業の情報流出懸念を抑える狙いがある。

Constellation Researchは、AIforceについて、SaaSを脅かす存在と見なされてきた先端AI企業と、企業向けアプリケーションを結ぶ橋渡し役になる可能性があると伝えた。現時点で全体像はなお限定的だが、ベニオフCEOは「DreamforceではAIforceについて多くを耳にすることになる」と述べている。

同社によると、AIforceはSalesforceの複数のレイヤーを束ねる基盤として機能する見通しだ。

Salesforceはこれまで、MuleSoft、Informatica、Data360を通じて、データ統合とデータ整備の領域に積極投資してきた。アプリケーションレイヤーも備えており、AIforceはこうしたデータレイヤーからインターフェースレイヤーまでを一体的に接続する役割を担う可能性がある。

ベニオフCEOは「これらのレイヤーが一体で動き始めたとき、本当のエンタープライズ変革が始まる」と述べたうえで、「AIforceは基幹システムの上に載る新しいユーザーインターフェースのハーネスだ」と説明した。

Constellation Researchは、AIforceの要点を大きく3つに整理している。第1に、SalesforceのプラットフォームとAIを、既存のアクセス権限とコンテキストの枠組みを保ったまま接続すること。第2に、どのモデルにもデータを持ち出させず、保存もしない設計を採ること。第3に、業界や業務を理解し、さまざまなインターフェース上で動作するパッケージ型エージェントを提供することだ。

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