ビットコイン 写真=Reve AI

ビットコインが足元で、ハイテク株よりも金に近い値動きを示している。資産運用会社Grayscaleは、ビットコインが安全資産として見直される兆しが強まっているとの分析を示した。

28日、ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、Grayscaleは過去1年ほど、ビットコインが人工知能(AI)関連銘柄と連動する「高ベータのリスク資産」として取引される傾向が強かったと指摘した。ただ、足元ではその様相が変わりつつあるという。

ビットコインの90日相関係数は、ナスダック100指数に対して60%超から約33%に低下した。一方、金との相関係数は年初のゼロ近辺から50%超まで上昇した。

背景にあるのは、米国の財政悪化と長期金利の上昇だ。米連邦債務が40兆ドルを超え、長期国債利回りもこの1年で大きく上昇したことで、法定通貨の実質的な価値低下に備えて金や暗号資産などの希少資産へ資金を移す「ディベースメント・トレード」への関心が再び強まっている。

ビットコインは世界金融危機後に登場した資産で、中央の発行体を持たない。発行上限は2100万BTCに固定され、供給スケジュールも公開されている。Grayscaleは、財政悪化への懸念が強まるほど、ビットコインが金と並ぶ希少な代替資産として、資産配分先に組み入れられる可能性があるとみている。

こうした見方を補強したのが、米財務省の対応だ。米財務省は19日、長期国債の買い入れ規模を1回当たり20億ドルから40億ドルに拡大すると発表した。同日には、米国の公的債務が初めて40兆ドルを超えた。

Grayscaleは26日付の別のリポートで、長期国債の買い入れ拡大は長期金利上昇という「症状」への対処にとどまり、構造的な財政赤字の解決策にはならないと評価した。その上で、市場がビットコインを含む希少なデジタル資産の分散投資効果や、法定通貨の実質価値低下に対する耐性を改めて意識し始めれば、関連資産には追い風となる可能性があるとした。

同様の見方は、他の金融機関の見通しにも表れている。投資銀行Bernsteinは、40年続いた金利低下局面の終了と米政府債務の40兆ドル到達を踏まえ、ビットコインが2027年半ばまでに15万ドルの高値を更新し、2029年には30万ドルに達し得るとの強気見通しを維持した。加えて、当局が財政悪化への対応を進める過程で、通貨価値の下落を一定程度容認する可能性が高いともみている。

市場の焦点は、ビットコインが今後さらにハイテク株との連動を弱め、金に近い資産として定着するかどうかにある。米財政への不安と長期金利の上昇が続けば、ビットコインをリスク資産ではなく希少資産として再評価する動きが一段と鮮明になる可能性がある。

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