Zcash(ZEC)の急騰が、ビットコイン(BTC)相場のリスク要因になりかねないとの見方が出ている。オンチェーン分析企業CryptoQuantは、Zcash関連のリスク指標が極端な水準に達したとして、過去にBTCの調整局面に先行した動きと重なる可能性があるとみている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが27日(現地時間)、こうした見方を伝えた。CryptoQuantのデータでは、Zcashの急伸に伴って市場の過熱を示すシグナルが強まり、BTC保有者の警戒感が高まっているという。
焦点となっているのは、Zcashの異常な上昇が過去にBTC調整の前兆として現れたパターンだ。CryptoQuantは、BTCが前回高値更新後に6万〜8万ドル(約900万〜1200万円)のレンジで推移する局面で、Zcashが大きく上昇する動きを注視。市場では、こうした値動きが相場全体の調整につながった例があると受け止められている。
暗号資産アナリストのマルトゥンは「Zcashは数日で70%急騰した」としたうえで、「足元の市場構造では、Zcashの上昇そのものよりBTCへの影響が懸念される」と述べた。こうしたシグナルは過去にも、大きな売り圧力に先立って現れたことがあると指摘している。
短期的な過熱感は、デリバティブ市場の指標にも表れている。CoinGlassのテクニカル指標によると、直近24時間でZcashの現物取引量は24.97%、デリバティブ取引量は24.16%それぞれ減少した。現物ETF上場を巡る機関投資家の期待がすでに相場に織り込まれ、価格は779.38ドル(約11万7000円)まで反落したとの見方もあるという。
4時間ベースでは、先物の売り数量が101.68%急増した。さらに、Zcashのマージンポジションには15億3000万ドル(約2295億円)規模の借入資金が積み上がっている。これは時価総額131億3000万ドル(約1兆9695億円)の1割超に相当する水準で、高いレバレッジが維持されたまま価格変動が拡大すれば、強制清算が連鎖的に発生する可能性がある。
市場内部では、Zcashエコシステムの持続性を疑問視する声も出ている。Galaxy Digitalのリサーチ責任者アレックス・ソンは、市場参加者がZcashを「プライベート・ビットコイン」とみなして買い上げていると批判した。そのうえで、アカウント型ブロックチェーンは構造上「プライバシーの悪夢」に近く、ビットコインのようなUTXO型チェーンに比べてプライバシー面で大きく劣ると指摘した。
こうした局面で、Zcash先物市場の15億3000万ドル(約2295億円)規模のポジションが強制清算に直面すれば、関連取引プラットフォーム全体に影響が波及する可能性がある。BTCは足元の価格帯で買いの勢いが強くないとみられており、デリバティブ市場の不安と流動性の流出が重なれば、下落圧力が強まるとの見方もある。市場参加者のリスク回避姿勢が一段と強まるかどうかが、短期的な焦点となりそうだ。