SKTは8月28日、政府が推進する「みんなのAI」の実施事業者に選定されたと発表した。独自のAI基盤モデル「A.X K2」を中核に、生活・公共分野で情報提供にとどまらず、手続きや予約まで支援する行動型AIを、10月にベータ版として提供する。
「みんなのAI」は、科学技術情報通信部と情報通信産業振興院が推進する政府事業。国民が費用負担や利用上の制約なくAIを活用できる環境の整備を目的としている。
SKTが開発するサービスは、生活・公共分野の情報を利用者の状況に応じて案内し、その後の行動につなげる点が特徴だ。公共分野では、利用者が自ら情報を探さなくても、必要な給付や関連情報を先回りして提示する仕組みを想定する。
また、「政府24」や「PASS」と連携し、各種証明書83種類の発行機能を実装する計画だ。
医療分野では、健康記録に基づいてパーソナライズした医療情報を提供する連携機能も用意する。健康診断の結果に加え、診療・処方の履歴をまとめて説明し、再検査が必要な項目を案内する仕組みとする。
利用者が症状を入力すると、近隣の病院を検索し、診療予約までつなげる機能も提供する。
生活分野では、電話の発信や予約手続きなど、日常的な用件を利用者に代わって実行できるようサービスを高度化する。実際に手続きを行う際には、本人確認や利用者の承認を経たうえで、個人情報の利用を最小限に抑える方針だ。
SKTは、単に質問に答えるチャットボットではなく、必要な情報を先回りして提案し、その後の手続きまで支援する「行動型AI秘書」を目指すとしている。
例えば、就職活動中の利用者が求人情報を調べると、募集情報と関連政策をあわせて案内する。関心のある募集情報を登録すれば、書類提出の日程管理まで支援する想定だ。
小規模事業者向けには、売上や費用、税金の状況を整理したうえで、政府の支援事業を探し、申請資格や日程を案内する「店舗運営コンサルタント」機能を提供する計画だという。
サービスはスマートフォンアプリに加え、電話やSMSでも利用できるよう開発する。SKTは通信ネットワークに加え、音声認識・音声合成技術を活用し、スマートフォンの操作に不慣れな高齢者やデジタル弱者でも、別のアプリを使う負担なくAIサービスを利用できるようにする方針だ。
SKTは本事業に向け、AI検索、金融・決済、モビリティ、メディア、ヘルスケア、教育、ケアなどの分野にまたがる20社・機関でコンソーシアムを組成した。これとは別に11社と業務協約を締結しており、計31の企業・機関がサービスのエコシステム構築に協力する。
SKTのキム・ジフンAI事業本部長は「2022年から一般向けAIサービスを運営してきた経験と、コンソーシアム各社の力を結集し、国民が実際に役立つと実感できるAIサービスを責任を持って、提供していく」とコメントした。