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暗号資産デリバティブ取引所Deribitで28日、Bitcoinオプション64億4000万ドル相当が満期を迎える。市場では満期通過そのものよりも、7万5000〜8万ドル近辺に集中する建玉に絡んだヘッジ売買が、現物需給や短期的な値動きに与える影響に関心が集まっている。

ブロックチェーンメディアのDecryptによると、満期を迎えるのは8万1700契約。このうちコールオプションは4万4639契約、プットオプションは3万7061契約で、プット・コールレシオは0.83とコール優勢の構図となっている。

今回の満期が注目されるのは、規模の大きさに加え、Bitcoin相場が8万ドル近辺の節目を試す局面と重なっているためだ。市場参加者は、オプション売り手によるヘッジ取引が現物市場の需給にどう波及するかを見極めようとしている。

Deribitベースの最大ペイン価格は6万8000〜7万ドルとされる。これは、最も多くのオプションが無価値で満了する価格帯を指す。現物価格がおよそ7万9000ドルにあることを踏まえると乖離は大きく、決済に向けてヘッジ需要が強まりやすいとの見方が出ている。

もっとも、64億4000万ドルという数字はあくまで名目額で、実際の資金移動額を示すものではない。満期時点で権利行使価格に届かず、失効する契約も少なくないとみられる。

実際に建玉が最も厚い行使価格は7万5000ドルと8万ドルだという。現物価格から5%以内の水準に5億ドル超の建玉が集まっており、このレンジではヘッジ売買が続きやすいことを示している。

一方で、大規模な満期が直ちに急激な価格変動につながるとは限らないとの見方もある。New Market Tradingの最高経営責任者(CEO)、フランク・ヘップワース氏は、28日満期分の62%が無価値で終わるとの見通しを示した上で、9月満期分の建玉はすでに今回のほぼ2倍に積み上がっていると指摘した。

同氏は、今週の調整が28日まで続く場合、6万9000ドル近辺に位置する200日移動平均線が重要な水準になると述べた。

過去を見ても、大規模満期が常に相場を大きく動かしてきたわけではない。2025年6月の150億ドル規模の満期では、最大ペイン価格が10万2000ドルだったものの、Bitcoin価格の反応は限定的だった。前年12月のDeribitにおける133億ドル規模の満期でも、相場への影響は小さかったという。

今回は、最大ペイン価格との距離よりも、売買が集中しやすい価格帯に現物相場が位置している点が特徴だ。Bitcoin価格が7万5000ドルと8万ドルの行使価格に近く、売り手のヘッジが続く可能性があるためだ。

加えて今週は、BitcoinとEthereumの現物ETFへの資金流入動向に加え、ジャクソンホールでのイベントも予定されている。Deribitの契約は28日午前8時(UTC)に決済される予定で、オプション満期とマクロイベントが重なることも、短期的な相場変動要因として意識されている。

市場の焦点は満期総額の大きさではなく、価格帯ごとのポジション集中と、それに伴うヘッジ需要にある。現物価格が7万5000〜8万ドル近辺にとどまれば、オプション市場のポジション調整が現物相場の流れに直接影響する可能性がある。

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