Naverは8月28日、Naver Labs、Naver Labs Europe、Naver AI Lab、Naver Cloudなどグループの研究組織が手がけた論文23本が、「欧州コンピュータビジョン会議(ECCV)2026」に採択されたと発表した。このうち4本は、全投稿の上位1〜2%に当たる「スポットライト」に選ばれた。
ECCVは、画像・映像処理を中心とするコンピュータビジョン分野の主要国際会議の1つで、2年ごとに開催される。2026年は9月8日から12日までスウェーデンで開かれ、Naverの研究者が現地で採択論文を発表する予定だ。
採択された研究は、3D空間認識・再構成、画像・映像向け学習モデル、ロボット走行シミュレーションなど、コンピュータビジョン分野全般にまたがる。とりわけ、実空間の3次元復元や、ロボット・自動運転システム向けの周辺環境認識に関する研究が多く含まれたという。
Naver Labs Europeでは、既存の3D再構成技術「DUSt3R」の発展版として「BLASt3R」に関する研究が採択された。SLAM(同時自己位置推定・地図作成)の手法を取り入れ、オンデバイスでも3D空間の再構成を可能にし、従来モデルに比べて処理速度と精度を高めたとしている。DUSt3Rは2023年に公開された技術で、写真1〜2枚から空間を3次元復元する方式という。
Naver Labsの「InSpace」は、360度パノラマ画像1枚を基に、室内構造や物体を3D空間として生成する技術に関する研究で、スポットライトに選ばれた。
自動運転向けでは、ビジョン言語モデル(VLM)を活用した研究も採択された。学習時に見ていない物体も認識し、その情報をリアルタイムの鳥瞰図(BEV)マップに反映する技術で、認識対象の拡張に焦点を当てている。
Naver AI Labは、KAISTと共同で進めた「ソウルワールドモデル」を発表する。ソウル全域のパノラマ画像などの空間データを基に、実際の都市環境を反映した広域映像を生成するモデルで、これもスポットライトに選ばれた。
Naverは、この技術を地図ベースの仮想探索やデジタルツイン、自動運転・ロボティクス向けシミュレーションなどに活用できるとみている。
このほかNaver Cloudでは、画像・映像の意味理解を高精度化する研究を示した。映像内の物体の動きと行動を区別する研究や、画像に言語ベースの推論を組み合わせて空間情報を把握する研究などが採択された。
NaverはECCVに加え、CVPR(コンピュータビジョン・パターン認識会議)やICCV(国際コンピュータビジョン会議)といった主要会議でも、毎年2桁規模の論文採択を得ている。今後は、こうした研究成果をAIや空間知能関連の技術・サービスへ展開していく方針だ。