米証券取引委員会(SEC)が進める暗号資産カストディ(保管)規則の改定案が25日、ホワイトハウス予算管理局(OMB)傘下の情報・規制業務室(OIRA)の審査に入った。投資助言会社やファンド、資産保管機関に影響するルール見直しが本格的に動き出した。CryptoSlateが27日に報じた。
OIRAの公開記録によると、SECの「カストディ規則改定案」は提案規則案件として審査対象に登録された。現時点で法定の審査期限はなく、規則案本文の公表やSEC委員会での審議も今後の手続きとして残っている。
SECの統合規制スケジュールでは、投資助言会社の顧客資産やファンド資産の保管ルール見直しに、暗号資産を含める方針が示されている。提案規則の告示目標時期は2026年10月とされているが、あくまで内部計画であり、法的な期限ではない。
今回の改定で最大の論点となるのは、どの機関が暗号資産のカストディを担えるのかという点だ。あわせて、どのような内部統制や顧客資産保護の措置を求めるのかも焦点になる。公開記録には規則案の文面は含まれておらず、受託資格や統制要件の具体像はまだ明らかになっていない。
直接の影響を受けるのは、登録投資助言会社と投資会社である。これらの主体は、連邦要件を満たす保管機関に依拠して顧客資産やファンド資産を管理しており、銀行や州信託会社も重要な利害関係者となる。
今回の動きは、既存案の単純な再開ではなく、新たなルール策定プロセスの出発点と位置付けられる。SECは2025年6月、2023年に示したセーフガーディング規則案を撤回し、同案を最終規則として確定させる手続きも打ち切っている。今回のOIRA審査は、その旧案の復活ではなく、新たな提案規則の準備段階に当たる。
その間、市場ではSEC実務部門の限定的な見解が、事実上の運用基準として参照されてきた。SEC投資管理部は2025年9月30日、一定の条件を満たす場合、登録投資助言会社と規制対象ファンドが一部の州信託会社を暗号資産カストディ目的の銀行とみなしても、執行措置を勧告しない考えを示した。
その条件には、認可の有無、資産保護方針、監査済み財務諸表、独立した統制報告書、カストディ契約、リスク開示、最善利益の判断などが含まれる。カストディ契約では、顧客資産またはファンド資産の分別保管を求めるほか、事前の書面同意なしに貸し付けや担保設定、再担保を行うことを禁じる内容が示された。あわせて、投資助言会社とファンドには、当該保管機関の利用が顧客やファンド、株主の最善利益にかなうかを判断する責任も求められた。
ノーアクションレター自体に法的拘束力はない。それでも、投資助言会社やファンド、銀行、州信託会社にとっては、実務上の重要な判断材料となってきた。今後SECが規則案を公表すれば、暗号資産の受託が認められる機関の範囲と、求められる保護措置を巡る議論が本格化しそうだ。