写真=MoonshotAIのXより

MoonshotAIが、大規模AIモデル「Kimi K3」の提供を巡り、Microsoft、Amazon、Googleと収益分配について協議している。ロイター通信が26日、関係者の話として報じた。

協議の焦点は、Microsoft Azure、Amazon Web Services、Google Cloudといった米大手クラウド上でKimi K3をホスティングできるようにすることにある。実現すれば、中国のAI企業と米大手クラウド企業の間では初の大規模な収益分配事例になる可能性があるという。

背景には、Kimi K3のライセンス条項がある。モデルを有料サービスとして提供し、その年間売上高が2000万ドル(約30億円)を超える場合、MoonshotAIと別途の商用契約を結ぶ必要がある。

関係者によると、MoonshotAIはAzure、Amazon Web Services、Google Cloudで発生するKimi K3関連サービスの売上高に対し、最大30%の分配を求めている。これは、同社がオープンウェイトモデルの大口利用者に提示してきた条件と同水準だという。

協議はまだ初期段階にあり、合意に至るかは見通せない。収益分配の算定方法に加え、データへのアクセス権やトークン使用量の監査などが未解決の論点として残っていると、ロイターは伝えている。

中国発のAIモデルは、米国製モデルより低コストを強みに米市場でも存在感を高めている。米政府は国家安全保障を理由に対中AIチップの輸出を制限してきたが、中国製AIモデルの浸透は止められていないという。

MoonshotAIは米政府からの圧力にも直面している。スコット・ベッセント米財務長官は先月、MoonshotAIを貿易ブラックリストに追加する可能性があると述べた。

米政府当局は、MoonshotAIがAnthropicの最高性能モデル「Fable」を蒸留し、Kimi K3の開発に用いたほか、NVIDIA製チップを違法に確保したと主張している。これに対しMoonshotAIは疑惑を否定し、Kimi K3の性能向上は自社アーキテクチャの改善によるものだと反論している。

Kimi K3は外部ベンチマークでも高評価を得ている。ロイターによると、Arena.AIはWebインターフェースの構築能力を測るベンチマークでKimi K3を首位に位置付けた。

またArtificial Analysisは、複雑な多段階タスクのテストにおいて、Kimi K3がOpenAIの「GPT-5.5」やAnthropicの「Claude Opus 4.8」と同等水準の性能を示したと評価した。

MoonshotAIは2023年、カーネギーメロン大学出身の研究者ヤン・ズーリン氏が設立した。Alibabaなど中国の大手テック企業の支援も受けている。

5月には20億ドル(約3000億円)超の資金を調達し、香港証券取引所への上場準備も進めているという。

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