DeepSeek 写真=Shutterstock

中国のAIスタートアップDeepSeekが、企業価値約5000億人民元を前提に、新たな資金調達を最終段階で進めていることが分かった。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が26日、関係者の話として報じた。調達額は約500億人民元で、8月末までにまとまる見通しという。

今回の資金調達は、上場準備の一環とみられる。杭州に本社を置くDeepSeekは、上海証券取引所のハイテク企業向け市場「STAR Market」への上場を検討している。

関係者2人によると、同社は早ければ年内にも上場申請に踏み切る可能性があり、2027年の上場を目指している。

出資には既存投資家のMonolith、Sxiang Capital、中国電池大手のCATLが参加したとされる。

新規投資家としては、CPE、Legend Capital、Stony Creek Capitalが協議に加わった。Stony Creek Capitalは半導体分野に重点を置くPEで、ChangXin Memory Technologies(CXMT)の会長であり、GigaDevice創業者でもあるジュ・イーミン氏に関連する投資家として紹介されている。

このほか、GigaDeviceが支援するファンドや、合肥の国有投資機関も取引に関与しているという。

DeepSeekは、低コストかつ高性能なモデルで世界のAI業界から注目を集めてきた。一方で足元では、中国内外で競争が一段と激しくなっている。こうしたなか、同社は最近、APIの利用料を引き上げた。

背景には、中国AI企業の間で続いてきた値下げ競争から、収益化を重視する流れへの転換があるとみられる。

値上げはDeepSeekだけではない。Zhipu AI、Alibaba Group、Tencent Holdings、Baiduなど主要各社も、今年に入って料金を引き上げている。

業界全体では、割引による利用者獲得よりも、コスト負担が膨らむAIサービスで収益を確保する方向へ軸足が移りつつある。

計算資源とインフラの拡充も進める。DeepSeekは競争激化を受け、人員とコンピューティングインフラの増強策を進めている。

報道によると、コンピューティング能力を約1ギガワット分追加する計画も検討している。

市場では、今回のラウンドが単なる資金調達にとどまらず、上場前のバリュエーションを見極める局面になるかどうかに関心が集まっている。

DeepSeekが5000億人民元規模の企業価値を維持したまま上場手続きに進めば、中国AI企業の資金調達や収益化戦略にも少なからぬ影響を与える可能性がある。

API値上げとインフラ投資の拡大を同時に進めるなか、今後の上場プロセスでは、成長性だけでなく収益構造をどこまで示せるかが焦点となりそうだ。

キーワード

#AI #DeepSeek #資金調達 #IPO #STAR Market #API値上げ
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.