ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインの急騰を受け、暗号資産市場のセンチメントが急速に改善している。恐怖・強欲指数は81まで上昇し、616日ぶりに「極端な強欲」圏に入った。相場反転のきっかけは米財務省による長期債バイバック拡大方針とみられるが、資金調達率の上昇や大口投資家の利益確定など、過熱を示す兆候も目立っている。

25日付のブロックチェーンメディアCryptopolitanによると、暗号資産の恐怖・強欲指数は81を記録し、2024年12月17日以来初めて「極端な強欲」水準に達した。

ビットコインは直近7日間で22%超上昇した。市場心理も1カ月前の36、1週間前の41から、足元では81まで急上昇した。CoinMarketCapは、年初来で最も急速なセンチメント転換の1つだと指摘している。2月5日に付けた年初来安値の指数5と比べると、この6カ月で市場心理は恐怖から強欲へ大きく傾いた格好だ。

もっとも、算出元によって水準には差がある。Alternative.meは市場心理をなお「強欲」段階に分類しており、指数水準は81をやや下回る。ただ、方向感としては同様に改善傾向を示している。

今回の相場反転の起点は、一般的に材料視されやすいETFではなく、米財務省が打ち出した長期債バイバック拡大方針だった。スコット・ベッセント財務長官は20日、長期債バイバックの規模を1回当たり20億ドルから最低40億ドルへ引き上げる方針を示した。翌日のCNBCインタビューでは、最終的な規模がさらに膨らむ可能性にも言及した。ただ、実際の買い戻しはまだ始まっておらず、プログラムは9月9日から11月4日まで実施される予定だ。

市場の反応はまず債券市場で表れた。30年債の需要低迷を背景に長期金利は20年ぶりの高水準圏にあったが、買い戻し拡大のシグナルを受けて急速に反転した。暗号資産市場もこれに反応し、21日に金利が再び上昇基調を示した後も、ビットコインは上昇分の大半を維持した。金融環境の引き締まりを見込んでビットコインを空売りしていた投資家はショートカバーを迫られ、翌日には約30億ドル規模のショートポジションが清算された。こうした強制的な買い戻しが相場をさらに押し上げた。

ビットコインの上昇は、市場シェアの拡大も伴った。ビットコインは1週間で約24%上昇し、2024年以降で最も強い週間上昇率を記録した一方、他の暗号資産は出遅れた。CryptoQuantはリポートで、強気シグナルが急速に改善したと分析した。同社のブルスコアは1週間で30から80へ上昇し、2025年10月以降で最高水準となった。10の下位指標のうち8つも強気圏に入ったという。

CryptoQuantは、市場が「新たな強気相場の初期段階に入った」と評価した一方、強気相場入りの断定は避けた。ビットコインが現在約8万3000ドル水準にある365日移動平均線を、週足終値ベースで上回る必要があるとの見方を示している。LMAX Groupのストラテジスト、ジョエル・クルーガー氏は、2026年5月の高値である8万2820ドルを上抜ければ、一部の市場参加者はサイクルの底打ち通過を確認できる可能性があると指摘した。その場合、次の目標レンジとして10万ドルが視野に入るとの見方も出ている。

もっとも、上昇ピッチの速さには警戒も残る。レバレッジをかけたロングポジションの維持コストに当たる資金調達率(ファンディング率)は、今週20カ月ぶりの高水準に達した。これは過去2年間のビットコイン急落局面でも繰り返し観測されたシグナルで、相場上昇が現物資金よりもレバレッジに支えられている可能性を示す。

大口投資家の利益確定も始まっている。CryptoQuantによると、短期保有の大口投資家は8月20日から22日にかけて約12億ドルの利益を確定した。20日単日では6億1400万ドルと記録的な水準だった。取引所への流入量も約5万3000BTCに増え、6月以降で最多となった。売却可能な供給が取引所により多く移ったことを意味する。

未実現利益率も警戒材料に挙がっている。トレーダーの未実現利益率は20.5%まで上昇した。CryptoQuantは、この数値が19%に達した今年5月初旬に、ビットコインが約30%下落したと指摘している。市場は強い上昇モメンタムを保つ一方、過熱シグナルも抱えたまま来週の取引を迎えることになりそうだ。

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