生成AIの普及を受け、コンサルティング業界で料金体系の見直しが進んでいる。業務効率の向上で従来の時間課金は維持しにくくなり、顧客の間では値下げ要求に加え、実際の事業成果に応じて報酬を決める成果連動型課金への関心が高まっている。
米ITメディアのBusiness Insiderは24日(現地時間)、コンサル各社にとっては「AIネイティブ」をうたうだけでは付加価値を示しにくく、AI活用の効果を価格体系にも反映する必要があると報じた。コンサルティング会社はAI企業との大型提携を進める一方、従来型の戦略助言から技術実装や長期案件へと軸足を移している。ただ、顧客側はAI導入の実効性や成果をこれまで以上に厳しく見極めているという。
特に見直し圧力が強いのが、時間単価に基づく課金方式だ。これまでは、プロジェクトに投入するコンサルタントの人数と稼働時間が売上に直結していた。しかし、AIによって調査、分析、文書作成の自動化が進み、同じ業務をより短時間で終えられるようになれば、従来と同じ時間単価を請求するのは難しくなる。生産性が上がるほど売上が減りかねない構造が、改めて問われている。
プロジェクト開始前に報酬総額を決める固定料金も、顧客から見直しを求める声が出ている。AI導入の効果や投資対効果(ROI)になお不確実性が残るなか、成果の有無にかかわらず定額を負担する形になるためだ。焦点となっているのは、固定料金そのものの是非ではなく、支払う費用を実際の事業成果とどこまで結び付けられるかにある。
そこで浮上しているのが、成果連動型課金だ。報酬の一部を基本報酬とし、残りをコスト削減や売上・利益の改善、業務効率化など、あらかじめ合意した目標の達成度に応じて決める方式で、顧客とコンサル会社が案件のリスクと成果を分かち合う設計になる。Boston Consulting Group(BCG)では、大型AIプロジェクトの4分の3で変動報酬を採用しているほか、McKinseyもグローバルの手数料収入の約4分の1を成果と連動させているという。
もっとも、成果連動型課金が万能というわけではない。景気動向や顧客企業の実行力など、コンサルタント側で左右しにくい要因も最終的な成果に影響するためだ。市場調査会社Gartnerは、この方式は差別化策になり得る半面、相応のリスクも伴うとして、リスク分担の在り方や成果測定の基準を明確に設計する必要があると指摘した。
AI時代のコンサルティング業界では、「AIを使う」こと自体ではなく、顧客にどのような事業成果をもたらしたかを示す力が競争力の源泉になりつつある。AIがコンサルタントの稼働時間を削減するほど、業界が提供する価値の軸も「人の時間」から「結果」へと移っていきそうだ。