タイ証券取引委員会(SEC)は、ビットコインとイーサリアムを対象とする暗号資産現物ETFの規制草案を公表した。対象資産や商品設計、保管体制を限定しながら制度化を進める方針で、意見募集は9月20日まで受け付ける。
ブロックチェーンメディアのCointelegraphが25日(現地時間)に報じた。タイSECは、国内の暗号資産ETFに関する規制草案と、海外デジタル資産カストディアンの適格基準に関する2件の意見募集文書を公開した。4月に示した基本原則を、より具体的なルール案に落とし込んだ格好だ。
制度上、当初の対象はビットコインとイーサリアムに限定する。資産運用会社が設定できるのは、両資産の価格に連動するパッシブ型ETFのみとなる。
各ETFは単一の暗号資産だけを組み入れることが条件となる。さらに、会計年度ベースで当該資産への平均純エクスポージャーを純資産価値の80%以上の水準に維持しなければならない。
ミューチュアルファンドとプライベートファンドは、タイSECの承認を受けた暗号資産ETFに投資できる。すでに認められている海外の暗号資産ETFへの投資についても、所定の上限内で継続を認める。
一方、制度導入の初期段階では、海外の暗号資産ETFを参照して設計した代替商品は認めない。海外ETFに連動する預託証書も対象外とする。
保管体制も制度設計の柱の一つとなる。国内の暗号資産ETFは原則として、タイ国内のデジタル資産カストディアンを主要な保管機関に指定しなければならない。
ただし、市場環境を踏まえて必要性と妥当性が認められる場合には、要件を満たした海外カストディアンの利用も認める方針だ。
あわせて示した海外カストディアン向けの基準では、ミューチュアルファンドとプライベートファンドのデジタル資産投資に関与する事業者について、法的権限を持つ規制当局の監督下にあることを求めた。当該国の規制体系や投資家資産保護の水準についても、タイ当局が十分と認めるレベルを満たす必要がある。
今回の制度設計は、機関投資家を軸にデジタル資産市場の整備を進めるタイの方針を映している。国内のETF市場を開放しつつ、取引対象や組み入れ資産、商品設計、保管主体を段階的に絞り込み、制度の安定運用を優先する狙いがある。
ビットコインとイーサリアムを先行対象とし、海外ETF連動商品を認めない点も、こうした方向性を示すものといえる。
タイ当局は、意見募集で集まった市場参加者の声を踏まえて最終規則を取りまとめる方針だ。これにより、同国の暗号資産現物ETF制度は、投資対象の範囲とカストディ要件を含めた具体像が一段と明確になった。