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SpaceXは、フロリダでのStarlink打ち上げを大幅に減らす。これまで同州で担ってきたStarlinkミッションは事実上終了し、今後はStarshipの本格投入まで、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地を主軸に打ち上げを続ける見通しだ。

米ITメディアArs Technicaが(現地時間)25日に報じた。報道によると、SpaceXのフロリダ宇宙港における月間打ち上げ回数は、これまでの8〜9回から、今後は2回前後まで減る可能性がある。

今回の見直しは、Starlinkの打ち上げ拠点を西海岸側へ移すことが柱となる。SpaceXはこれまで、フロリダのケープカナベラル宇宙軍基地と、NASAのケネディ宇宙センターからFalcon 9を打ち上げ、Starlink衛星を軌道に投入してきた。

昨年のFalcon 9打ち上げは計165回で、このうち約75%をStarlink関連ミッションが占めた。一方、今年はヴァンデンバーグ宇宙軍基地の比重が高まっており、この傾向は年末まで続くとみられる。

SpaceXの打ち上げ担当バイスプレジデントを務めるキコ・ドンチェフ氏は25日未明、ケープカナベラルで実施したFalcon 9打ち上げについて、フロリダで予定されていた最後のStarlinkミッションだと説明した。

同氏はXへの投稿で、今後フロリダ発のStarlinkミッションはStarshipで実施し、西海岸のチームはヴァンデンバーグで定期的にStarlinkを打ち上げ続けると明らかにした。

これにより、当面フロリダではFalcon 9とFalcon HeavyがStarlinkではなく、顧客衛星の打ち上げに軸足を移す。次回の打ち上げは8月30日に予定されるNASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡ミッションで、9月中旬には国際宇宙ステーション(ISS)へ4人の宇宙飛行士を送るFalcon 9の有人飛行も控える。

フロリダ宇宙港が世界有数の打ち上げ拠点として地位を維持してきた背景には、Starlink打ち上げの寄与が大きい。ケープカナベラルとケネディ宇宙センターは隣接し、同じ打ち上げ区域を共有しているため、実質的に一体の宇宙港として扱われている。

この拠点が打ち上げ回数で世界首位の座を最後に明け渡したのは2015年だった。Starlinkミッションが抜ければ、フロリダ全体の打ち上げ件数は大きく減るのは避けられない。

もっとも、今回の変更はSpaceXの打ち上げ能力低下を意味するものではない。Starlinkの打ち上げ体制を、次の段階へ移す過程とみるのが自然だ。

今回のFalcon 9打ち上げは、再使用ロケットの記録更新という点でも節目となった。投入された第1段ブースターは37回目の飛行に成功し、SpaceXの再使用機として最多飛行記録を更新した。

ドンチェフ氏はこの実績についてチームの成果を評価したうえで、Falcon 9は史上最も信頼性の高い打ち上げ機になったと強調した。また、Falcon 9は数百万人に接続性を提供する大規模な低軌道衛星網の構築を支え、次の段階に進む土台を築いたとも述べた。

その次の段階としてSpaceXが見据えるのがStarshipだ。同社は年末までに、ケネディ宇宙センターの39A発射台でStarship/Super Heavyの打ち上げを始める計画を維持している。

ただ、実際のスケジュールにはなお不確実性がある。現地では準備作業が相当程度残っているうえ、テキサス南部の生産拠点からフロリダへStarshipを移送する動きも、現時点では明確になっていない。

このため、ケネディ宇宙センターでの初のStarship打ち上げは、2027年半ばになるとの見方も出ている。

Starshipへの移行は、SpaceXの商業打ち上げ戦略にも影響を与える見通しだ。同社は長期的に、商業ミッションでもFalcon 9をStarshipに置き換える方針を進めている。

一方で、Starshipの開発や打ち上げ日程に遅れが生じれば、2028年以降に安定した打ち上げサービスを求める顧客の不安が高まる可能性がある。

Starshipは、Falcon 9より大幅に大型・重量級のStarlink衛星を一度に大量投入できるよう設計されている。SpaceXが準備しているStarlinkバージョン3衛星は、既存のV2より大型で高性能とされる。

Starshipは1回の打ち上げで最大60機を低軌道に投入できる見込みだ。SpaceXは次回のStarship試験飛行「フライト14」で、テキサスのスターベースから打ち上げ、初のStarlinkバージョン3衛星を低軌道へ投入する計画を進めている。時期は早ければ来月になるとみられる。

今回のフロリダでの打ち上げ縮小は、単なる回数削減ではない。Starlinkの打ち上げ基盤をFalcon 9から次世代機のStarshipへ移すための準備段階と位置付けられる。

もっとも、フロリダでのStarship打ち上げ時期はなお不透明だ。Falcon 9からStarshipへの戦略転換が計画通り進むかどうかが、今後の焦点となる。

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