ビットコインがこの1週間で約24%上昇し、7万9000ドルに迫った。一方で、相場全体がアルトコインまで幅広く買われる展開には至っておらず、資金はビットコインに集中している。
Decryptによると、こうした資金の偏りを受けて、ビットコインのドミナンスは年初来の高水準圏まで上昇した。通常はビットコイン以外の暗号資産の方が値動きが大きくなりやすいが、今週はその傾向が弱かった。
アルトコインの中では、イーサリアムが相対的に底堅かった。同期間に約27%上昇し、2450ドルを上回った。
ただ、ビットコインとイーサリアムを除く暗号資産市場の動きを示す「Total3」は、序盤に急伸した後、上げ幅を縮小した。足元では約7530億ドルと、ビットコインが8万ドルに近づくなかでも週間では下落している。
アルトコイン市場全体を示す「Total2」も同様の動きとなった。8月19日から22日にかけて24%超上昇し、1兆ドルを回復したが、その後は上昇分の一部を失った。現在は約1兆500億ドルで推移しており、直近2日間はビットコインが上昇する一方で下落した。
こうした構図は、ビットコインのドミナンスにも表れている。ドミナンスは暗号資産全体の時価総額に占めるビットコインの比率を示す指標で、アルトコインが相場を主導する局面では低下しやすい。だが今週は一時約61%まで上昇し、その後も59%前後で推移した。
アルトコインシーズン入りを示す指標も、なおビットコイン優位を映している。CoinMarketCapの「アルトコインシーズン指数」は、直近90日間で上位100銘柄のうち、どれだけがビットコインのリターンを上回ったかを示すものだ。75を超えるとアルトコインシーズンとされるが、足元では46にとどまっている。
今回の上昇の直接的なきっかけの1つは、米国の政策環境の変化だ。米財務省は先週水曜日、長期国債の買い戻し規模を1回当たり20億ドルから40億ドルへ引き上げ、9月9日から適用すると発表した。
この発表後、ドルは軟化し、投資家はインフレヘッジとしてビットコインへの投資を増やした。
政治面の材料も相場を支えた。ドナルド・トランプ米大統領はホワイトハウスで暗号資産業界の幹部と会談し、議会に対してクラリティ法の成立を促した。同法は、どの米規制当局がどの暗号資産を監督するかを定める内容で、規制の明確化期待が投資家心理を支えた。
上昇局面では、ショートスクイーズも相場を押し上げた。ビットコインが7万ドルを突破すると、下落を見込んでいた市場参加者の買い戻しが膨らみ、上昇に拍車をかけた。
Bitget Walletのリサーチアナリスト、レイシ・ジャン氏は、2~3日間で暗号資産のショートポジションが40億ドル超清算されたと推計した。相場が現物の買いだけでなく、デリバティブ市場でのポジション調整にも左右されたことを示している。
短期的な焦点は、ビットコインが8万ドルを明確に上抜けるかどうかだ。安定的に上回れば、次の上値めどとして8万2000~8万7000ドルが意識される。一方、調整局面では7万5000~7万6000ドルが主要な下値めどとみられている。
市場では、9月中旬に予定される米上院でのクラリティ法の再協議とあわせ、ビットコイン高がアルトコイン全般に波及するかを見極める展開が続きそうだ。