Uberは、ティーンアカウント向けの安全機能を拡充し、保護者が乗車中にドライバーのスマートフォンの前面カメラ映像を一定時間確認できる機能を追加した。米The Vergeなど複数の海外メディアが8月25日付で報じた。
この機能は、子どもがUberを利用して移動している間、保護者が車内の状況をより安心して見守れるようにするのが狙いだ。Uberは2023年にティーンアカウントを導入して以降、PIN確認やリアルタイムの位置追跡、任意の音声録音機能など、安全対策を順次強化してきた。ティーンアカウントを通じた乗車件数は数千万件に達しているという。
新機能の利用には、ドライバーの同意が必要となる。未成年利用者の乗車依頼を受け付ける設定にしているドライバーには、保護者への前面カメラ映像の共有に同意するかどうかが改めて確認される。ドライバーが承認すると、ティーンアカウントにひも付けられた保護者にプッシュ通知が送られ、映像を確認できるようになる。保護者が視聴を始めると、その事実はティーン利用者とドライバーの双方に通知され、乗車終了とともに映像の表示も自動で停止する。
Uberは、セキュリティとプライバシー保護にも配慮するとしている。乗車中の映像を閲覧できるのは、ティーンアカウントに登録された保護者に限られ、乗車後はドライバー、保護者、ティーン利用者のいずれも録画データにはアクセスできない。
一方で、暗号化された録画データは別途保存される。安全上の申告がない場合は14日後に自動削除されるが、事件や事故の調査が必要なケースに限っては復号鍵を用いてアクセスできる。この場合、データ保管方針に基づき14日を超えて保存する可能性があるとしている。
こうした機能追加の背景には、配車サービスの安全性を巡る懸念がある。Uberは現在、乗客が起こした性暴力や不適切行為に関する訴訟約4000件に、州・連邦裁判所で対応している。多くはドライバーによる加害の疑いを含むという。Uberは、ティーン利用者の乗車を担当するドライバーについて、最高水準の評価とクリーンな安全記録の維持を求めている。
ドライバーの前面カメラを安全機能に活用するのは今回が初めてではない。ドライバーが任意機能「Record My Ride」を有効にすると、Uberアプリはスマートフォンの前面カメラとマイクを使って乗車中の映像と音声を自動記録する。Uberによれば、これらの記録は自由に閲覧できるものではなく、ドライバーが安全申告の手続きでアップロードした場合に限って確認される。
Uberは、運転免許を持つティーンの比率が過去20年で低下する中、ティーン向け利用の拡大を進めてきた。ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は昨年のポッドキャストで、一部のティーンは自ら運転したり初めての車を購入したりする代わりに、Uberのような配車サービスを選んでいると語っている。
この機能は現在、米国のアトランタ、フェニックス、オーランド、ローリー・ダーラム、ポートランド、サンアントニオ、クリーブランド、ロードアイランド、エルパソの9つの地域で試験導入中だ。今後数週間以内に全米へ拡大する計画としている。
これにより、Uberのティーンアカウントは、位置情報の共有に加えて映像確認にも対応することになる。ただし、実際に利用できるかどうかはドライバーの同意に左右され、閲覧権限も乗車中の保護者に限定される。