写真=Strategy

Strategyのビットコイン買い増し戦略は、ビットコイン価格そのものよりも、資本市場で安定的に資金を調達できるかどうかに大きく左右される――。こうした見方が浮上している。年17億6000万ドルの配当・利払い負担を抱える同社は、新規調達が滞れば、費用捻出のためにビットコイン売却を迫られる可能性がある。

Cointelegraphが25日(現地時間)に報じた。暗号資産分析プラットフォームのRezym Intelligenceは、Strategyが保有する84万4470BTCについて、財務構造上のリスクを指摘。約220億ドル規模の負債に加え、優先株に関する請求権も抱えており、買い増しモデルを維持するには資本市場での継続的な資金調達が不可欠だと分析した。

Rezymによると、Strategyの負債構造は、一般的なビットコイン担保のマージンローンとは異なる。ビットコイン価格の下落に連動するマージンコールはなく、価格が下がっても保有ビットコインが直ちに強制処分される仕組みではないという。

同社のストレステストでは、ビットコイン価格が約96%下落して初めて、保有ビットコインと現金同等物だけでは転換社債を賄えなくなる水準に達するとの結果が示された。

一方で、優先株の配当や利払いはビットコイン価格に関係なく発生し続ける。Rezym Intelligenceのアナリスト、シェリフ・サード氏は、Strategyにとって最大の課題は、負債と優先株に伴う年間コストを賄うための資金調達を継続できるかどうかだと指摘した。

投資家が注視すべき指標としては、優先株価格と現金同等物が挙げられる。Strategyの現金同等物は、年間費用のおよそ2.6倍に相当するという。

ただ、資金調達環境が悪化すれば、この買い増し戦略は揺らぎかねない。その場合、Strategyは現金同等物への依存を強めるか、配当や利払いに充てるためビットコインを売却する可能性がある。

サード氏は、ビットコインの長期下落局面で、Strategy株と純資産価値(mNAV)プレミアムが同時に低下した場合、事態は一段と深刻になるとみる。「同時下落が起きれば、資金調達はさらに難しくなる」と述べた。

足元ではビットコイン相場の反発を受け、Strategyの保有ビットコイン価値は667億ドルに増加した。平均取得原価ベースの633億6000万ドルを上回っており、評価上は含み益の状態にある。

もっとも、今回の分析が焦点を当てるのは価格水準ではない。事業運営の観点では、ビットコイン相場以上に、資金調達の窓口を維持できるかが重要だという点だ。

市場ではこれまでも、Strategyが貸借対照表上のビットコインを実際にどこまで活用するのかに関心が集まってきた。マイケル・セイラー氏が数年にわたり「絶対に売らない」との方針を強調してきただけに、同社が今年、他の事業上の義務を果たすためにビットコイン売却を始めたことは市場の注目を集めた。

それでも同社は、ビットコイン買い増し方針を維持する姿勢を崩していない。CEOのポン・レ氏は、今年売却した量の約25倍に当たるビットコインを積み増したと説明。年後半には購入を再開する計画も示した。

今後の焦点は、ビットコイン価格そのものよりも、Strategyが資本市場でどこまで安定的に資金を調達できるかに移りつつある。保有資産の価値が維持されても、株価と調達環境が同時に揺らげば、これまでの買い増しモデルは、買いより売却が優先される局面に転じる可能性がある。

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