ドナルド・トランプ米大統領。写真=米ホワイトハウス

ドナルド・トランプ米大統領は、大型ドローンと関連部品に100%、その他のドローンに25%の関税を課す方針を示した。対象は新規輸入品だけでなく、既存の輸入ドローンや部品にも及ぶ見通しで、米国のドローン供給網全体に影響が広がる可能性がある。

8月14日付のThe Vergeなどによると、100%関税の対象は、熱画像カメラを搭載したドローン、25kg超のドローン、および25kg超の無人航空機に使われる各種部品。これ以外のドローンには、250g未満の小型消費者向け機を含めて25%の関税を適用する。

あわせて例外措置も設ける。企業がドローンや航空機部品の一部を米国内で生産すると約束した場合、関税を免除する。

トランプ大統領は今回の措置について、商務長官が米国内の無人航空機および関連部品の生産設備への投資を促す新たなプログラムを設けられるようにしたと説明した。宣言文には、「米国内の生産施設への新規投資を奨励するためのプログラム」を承認するとの文言も盛り込まれた。

税率は国・地域ごとに差を設けた。欧州連合(EU)、日本、リヒテンシュタイン、韓国、スイス、台湾には15%の税率を適用する。英国は10%とする。

優遇税率の条件は、ハードウエア、ソフトウエア、技術の「実質的にすべて」が、当該国または米国に由来することだ。

今回の措置は、米政府が進めてきた外国製ドローン規制の強化をさらに一歩進めるものといえる。米国はすでに外国製ドローンに加え、ルーターやロボット、ロボット掃除機についても、将来的な流入を抑える措置を打ち出していた。

今回は新規流入の規制にとどまらず、すでに市場に入っているドローンや部品にも価格面の負担を広げる内容となった。

トランプ政権は、規制強化とインセンティブ策を組み合わせる形で理由付けしている。関税によって輸入品の価格を押し上げる一方、米国内生産に切り替える企業には免除を与える仕組みだ。

トランプ大統領は昨年、コンピューターチップへの100%関税に言及した際にも、同様の条件付き優遇措置を示唆していた。

もっとも、法的な先行きには不透明感が残る。米連邦最高裁は今年初め、トランプ大統領による世界規模の関税措置を違法と判断し、米国際貿易裁判所も同様の判断を示した。

それでも、トランプ大統領は追加関税の発表を続けている。

ドローンを巡る規制圧力は、関税だけにとどまらない。米連邦取引委員会(FTC)は最近、「軍用品級」のドローンを遡って禁止し得ると警告したが、その基準は農業用ドローンや緊急救助の現場、ライトショー向けドローンにまで及ぶ可能性があるとの指摘も出ている。

また、米政府のドローン関連インセンティブは、民間用途全般よりも軍事用途のドローンに重点を置いてきたとされる。

こうした点を踏まえると、今回の措置は単なる税率の見直しではなく、米国のドローン産業における生産拠点と供給網の再編を促す圧力と受け止められる。日本や韓国などに15%の例外税率を設けたものの、原産地や技術の出所に関する条件は厳しく、実際に適用される範囲は限定的となる可能性がある。

今後は、企業が米国内生産への転換をどこまで進めるかに加え、関税措置の法的効力が維持されるかが焦点となる。

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