米ビットコイン採掘大手のRiot Platformsは、保有するビットコイン4300BTCを売却し、AIワークロード向けデータセンターの拡張資金に充てる方針だ。採掘収益の悪化を受け、収益源を長期契約に基づくインフラ事業へ移す動きを鮮明にしている。
13日付のブロックチェーンメディアU.Todayによると、今回の判断は、暗号資産を積み増す従来戦略から距離を置き、コンピューティングインフラ事業へ軸足を移す大手採掘企業の流れを映している。
背景には、マイニング事業の採算悪化がある。Riotの第2四半期の採掘収入は、電力料金の上昇とハッシュプライスの急低下を受け、19.3%減少した。
市場環境も厳しい。ビットコイン価格は6万3500ドル~6万3700ドルの狭いレンジで推移する一方、業界モデルに基づく平均採掘コストは1BTC当たり7万6000ドル~7万8000ドルと推計された。平均的な採掘事業者は採算割れの状態にあると分析されている。
ハッシュプライスも1PH/s当たり1日30~35ドルまで低下し、過去最低水準に落ち込んだ。低コスト電力と最新設備を確保した事業者でなければ、収益性を維持しにくい構図になっている。
Riotの採掘コストは市場平均を下回るものの、負担は重くなっている。1BTC当たりの直接採掘コストは、電力単価の上昇に加え、ケンタッキー州での設備拡張の影響で4万9912ドルまで上昇した。同社はこうした環境下でも採掘収入1億1370万ドルを計上したが、追加投資資金を確保するため、これまで積み上げてきたビットコインの一部を売却した。
一方、財務余力は維持している。Riotは現金5億4890万ドルと1万1380BTCを含む、総額12億ドル規模の現金性資産を保有する。保有ビットコインの一部を手放した後も、追加投資に回せる余力は残る。
事業モデルの転換も進む。RiotはすでにAMD向けに初の設備容量を提供した。中核案件としては、AI研究施設向けの20年契約が想定されており、期待売上高は91億ドルとされる。単純なマイニング収益から、長期契約を基盤とするインフラ収益へ事業構造を切り替えつつあることを示している。
こうした動きはRiotに限らない。2026年に入り、大手採掘企業の間では、採掘専業からコンピューティングインフラ運営へ転換する流れが強まっている。Marathon Holdings、Core Scientific、Bitdeerも、AIインフラ構築資金を確保するため、保有する暗号資産の一部を現金化してきた。
今回の売却は、単なる資産売却にとどまらず、採掘業界の収益構造の変化を示す動きといえる。ビットコイン価格がボックス圏にとどまり、電力コストの上昇とハッシュプライス低下が重なる中、大手採掘企業は保有コインの維持よりも、長期契約ベースのAIデータセンター事業へ収益源を組み替え始めている。