Waymoが米アリゾナ州メサの工場敷地内に、ロボタクシー計953台を保有していることが分かった。このうち684台はセンサー搭載などの改造を終え、実運用に投入できる状態にある。
電気自動車メディアのElectrekの12日付の報道によると、全体の72%がすでに改造を終えている計算になる。
集計は、Redditユーザーで車両分析を続けるjjricks_が毎月公開している航空写真の分析に基づく。8月の更新では、改造済みの「Ojai」ロボタクシー684台に加え、改造前の新車269台が確認された。
Waymoの公式発表ではないが、現地の車両動向を把握する指標として継続的に参照されている。同じ手法による6月初旬時点の集計では、Ojaiは約500台規模だった。
今回の集計で目を引くのは、Hyundai Ioniq 5ベースのロボタクシーが初めて確認された点だ。改造済み車両として12台が把握され、Waymoの第2の車両プラットフォームが工場内で具体的に確認された格好だ。
OjaiはWaymo初の専用ロボタクシー。ベース車両はZeekrが生産し、メサ工場で部品メーカーのMagnaがWaymoの第6世代自動運転システムを搭載して完成させる。
第6世代ハードウェアは、カメラ13基、LiDAR 4基、レーダー6基で構成される。Waymoによると、センサー数は前世代比で42%削減し、ハードウェアコストは1台当たり2万ドル未満に抑えたとしている。
Waymoは、より低コストのセンサーとベース車両を組み合わせることで、車両1台当たりのコストを引き下げ、ロボタクシー事業の拡大を進めている。Ojaiは、自動運転運行を前提に設計されておらず運用コストも高かったJaguar I-Paceベースの既存車両の置き換えを担う。
同社は年初から、サンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックスでOjaiを活用したサービス展開を進めてきた。Ojaiは5月に一部乗客向けの運行を開始し、その後サービス対象を広げている。
Waymoは現在、米国の複数都市で週50万件を超える有料乗車をこなしており、2026年末までに週100万件の達成を目標に掲げる。2026年初時点の運用車両が約2500~3000台だったことを踏まえると、メサ工場で待機する改造済み684台は、今後の供給余力として小さくない規模だ。
今回の数字は、工場内での車両改造がかなり進んでいることを示している。今後の焦点は、完成車を有料乗車サービスへどれだけ早く振り向けられるかに移る。
Ioniq 5ベース車12台の確認は、Waymoが車両調達先の多様化を進めていることも示唆する。Waymoは第6世代自動運転システムを、ZeekrベースのOjaiとHyundai Ioniq 5の双方に展開している。
Waymoはすでに無人の商用ロボタクシーサービスを運営しており、2026年に入ってからも車両数とサービス提供地域の拡大を続けている。これに対しTeslaのロボタクシー事業は、なお相対的に限定的な規模にとどまる。Teslaはオースティンを軸に拡大を進めているが、運用台数の面ではWaymoとの差が大きいとみられる。
今回の集計は、Waymoが技術実証の段階を超え、生産と実配備の拡大局面に入っていることを改めて示した。メサ工場に改造済み車両684台が積み上がり、Ioniq 5ベース車も加わったことで、今後は生産能力そのものより、完成車をどれだけ迅速に商用サービスへ投入できるかが問われそうだ。