SpaceX株は11日、前日比11%高の148ドル前後で引け、公開価格の135ドルを上回った。空売り比率の急低下に加え、大規模なロックアップ解除で浮動株が増えたことも重なり、株価の反発に弾みが付いた。
ブロックチェーン系メディアのCryptopolitanが12日に報じたところによると、同社株は8月3日に付けた安値から約41%反発した。直近1週間の上昇率も28%近くに達したという。
一方で、証券会社は目標株価を引き下げた。Daiwa Capital MarketsはSpaceXの目標株価を175ドルから140ドルに下げ、投資判断は「中立」に据え置いた。8月10日の終値138.74ドルと比べると、新たな目標株価は0.9%高い水準にとどまる。
Daiwa Capital Marketsは、成長に伴う資金需要の拡大を織り込み、企業価値評価を引き下げた。売上成長が加速しても、事業運営と拡張には一段の資本投入が必要になるとの見方を示した。
もっとも、足元の株価反発を主導したのは空売りの縮小だ。S3 Partnersは11日時点で、流通可能株式に対する空売り比率が約11%まで低下したと推計した。前週に一時34%まで上昇していた水準から大きく下がったことになる。
株価上昇を受けて、下落を見込んでいた投資家の買い戻しが進んだ。加えて、初の大規模なロックアップ解除により取引可能株数が増えたことも、需給面で影響した。
S3 Partnersで予測分析を担当するマネジングディレクターのイホル・ドゥサニウスキ氏は、空売り筋が持ち高をさらに積み増す余地は限られているとの見方を示した。空売り比率の低下により、市場での売り圧力も相対的に和らいだ格好だ。
ノルウェー政府系ファンドの新規保有も市場の関心を集めた。Norges Bank Investment Management(NBIM)は半期報告書で、SpaceX株を約0.05%保有していると公表した。保有額は12億ドル強としている。
NBIMは同日、上半期の純利益が1840億ドル超だったと明らかにした。上半期の運用利回りは9.4%で、アジアのテクノロジー株が成績を押し上げたという。
NBIMの最高経営責任者(CEO)ニコライ・タンゲン氏は、「株式市場の堅調なリターン、とりわけアジアのテクノロジー株のパフォーマンスが今回の結果につながった」と述べた。
ノルウェー政府系ファンドは1990年代に石油・ガス収入の運用を目的として設立された。現在の運用資産は約2兆3400億ドルで、50カ国超の7000社以上に投資し、世界の上場株式の約1.5%を保有している。
NBIMは、イーロン・マスク氏と関係の深い投資先としてTesla株も保有している。持ち分は約1%で、価値は約157億ドルとされる。
一方で、Teslaを巡っては見解の相違もある。NBIMは2024年、マスク氏に対する560億ドル規模の報酬案に反対票を投じた。2025年末のTesla年次株主総会でも、最大1兆ドル規模になり得る別の報酬案に反対した。
当時NBIMは、マスク氏のビジョンの下で創出された大きな価値は認めるとしつつ、報酬総額の大きさや希薄化の影響、キーパーソンリスクを抑える仕組みの欠如に懸念を示した。その上で、Teslaとは本件を含む諸課題について建設的な対話を続ける考えを示した。
SpaceX株は決算発表後に広がった売りをおおむね取り戻した。ただ、証券各社は高い成長性と巨額の資本支出負担を併せて注視している。今後の株価は、業績の改善ペースと追加の資金需要をどう市場が評価するかに左右されそうだ。