Bank of America(BofA)は、今後18カ月で米国のインフラ分野に2500億ドル(約37兆5000億円)を振り向ける方針を明らかにした。重点分野は、AI向けデータセンター、電力、半導体を含むデジタルインフラだ。投資や融資に加え、資本市場業務や助言も組み合わせて支援する。
Cryptopolitanが12日(現地時間)に報じたところによると、この取り組みは米国の独立250周年をにらんだ「中核インフラ金融イニシアチブ」の一環。実施期間は2026年1月1日から2027年7月4日までとしている。
今回の枠組みは、新たな単一ファンドを設けるものではない。投資、融資、資本市場取引、助言業務を組み合わせた18カ月の金融支援策として展開する。
BofAは、資金供給の柱として「デジタルインフラ」「エネルギー・電力」「基幹インフラ」の3分野を挙げる。なかでも注目を集めるのがデジタルインフラだ。
米国ではAIデータセンターの建設が加速しており、電力インフラへの負荷も高まっている。これに伴い、演算能力、電力、半導体への需要が同時に膨らんでいるという。
BofAでグローバル・インフラおよび持続可能金融を統括し、グローバル資本ソリューションの共同責任者も務めるカレン・パン氏は、老朽化したインフラには近代化が必要だとの認識を示した。今回の計画は、単なる資金供給にとどまらず、電力とデジタル関連設備の再整備を後押しする狙いがあることを示している。
銀行による大規模な資金供給は、AIインフラを巡る競争が金融市場の主要テーマになりつつあることも映し出す。BofAは、このプロジェクトによって建設、製造、技術、運用の各分野で数万人規模の雇用創出が見込まれるとしている。
また同社は、2025年に米国内97市場で730超の人材育成パートナーに約4000万ドル(約60億円)を拠出し、9万人を雇用につなげたほか、29万人超に教育機会を提供したと説明した。
こうした動きは、他の大手金融機関による長期投資計画とも重なる。Morgan Stanleyは10年間で1兆5000億ドル(約225兆円)規模のイノベーション関連プロジェクトを打ち出し、JP Morgan Chaseも2025年に米国の経済安全保障関連分野へ1兆5000億ドル(約225兆円)を投じる方針を示している。
BofAが過去10年間に1兆5000億ドル規模の持続可能金融目標を掲げた際の枠組みと比べても、今回の手法に大きな違いはないとみられる。
もっとも、発表後も不透明感は残る。株式市場の反応は限定的で、発表当日のBofA株は64.72ドルと前日比1.1%上昇したものの、大きな値動きにはならなかった。
またMorgan Stanleyについては、1兆4000億ドル(約210兆円)のコミットメントの60%を輸入コンピューターの購入に充てる計画とされ、資金の相当部分が米国内のAIインフラではなく海外製品に向かう可能性も指摘されている。
BofAも、2500億ドルのうち米国内のAIインフラに直接充てる金額の内訳は現時点で明らかにしていない。計画の実効性は、データセンターや電力、半導体といった中核設備に、どこまで資金が実際に配分されるかに左右されそうだ。