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米通貨監督庁(OCC)は12日、新設銀行免許(de novo charter)の促進方針を維持する考えを改めて示した。暗号資産企業による連邦銀行システムへの参入が広がる中、既存の銀行業界との競争は一段と激しくなりそうだ。

Bitcoin Magazineによると、OCCは新設銀行の設立を後押しする政策を今後も継続する方針を明らかにした。

通貨監督官のジョナサン・V・グールド氏は、新設銀行の増加は銀行システムの健全性を示す指標だと強調した。連邦預金保険公社(FDIC)による預金保険申請の審査手続きの見直しについても、OCCの免許政策と歩調を合わせる形で進んでいると説明した。

グールド氏はこれまで、連邦銀行免許や連邦預金保険を申請する企業に対し、規制当局が事実上の参入障壁を設けてきたと指摘してきた。デジタル資産や新技術など、法的に認められた事業を手掛ける企業についても、国家銀行への参入機会を閉ざすべきではないとの立場を示している。

OCCによると、過去18カ月で受理した新設銀行の申請は40件に上った。この中には、数十年ぶりとなる国家信託銀行免許の申請も含まれる。多くの案件では、申請受理後120日以内に判断を下したという。

また、5年ぶりに新設の国家銀行が最終承認を受け、営業を開始した事例もあった。代表例として、Founders Fundの支援を受けるErebor Bank(パルマー・ラッキー氏、ジョー・ロンズデール氏、ピーター・ティール氏らが関与)を挙げた。

暗号資産企業の参入も相次いでいる。Ripple、Circle、Crypto.com、Paxosは、国家信託銀行免許を巡り条件付き承認を受けている。ドナルド・トランプ大統領の支持を受ける分散型金融プラットフォームWorld Liberty Financialも、独自ステーブルコイン「USD1」の機関投資家向け利用拡大を視野に銀行免許を申請した。Coinbaseの申請は現在も審査が続いている。

暗号資産企業が免許取得を目指す背景には、顧客資産の保管や決済事業を、連邦の規制枠組みの下で直接手掛けたい狙いがある。Coinbaseのような大手事業者は、国家信託銀行の地位を得ることで、機関投資家の暗号資産をより幅広く受託できる体制を整えられるとみている。

一方で、既存の銀行業界の反発は波乱要因となっている。米独立地域銀行協会(ICBA)は昨年12月、Coinbaseの国家信託銀行免許申請を拒否するようOCCに求めた。リスク管理や内部統制に問題があり、ガバナンス構造の面から独立した監督が難しいと主張している。

米銀行協会(ABA)も今年2月、暗号資産企業に対する免許審査を遅らせるようOCCに要請した。表向きは規制手続きやリスク管理が論点とされているが、業界内ではステーブルコインと預金基盤を巡る競争が対立の本質との見方がある。

暗号資産企業は、利用者がトークンを保有した際に報酬を付与するなど、従来の預金とは異なる金融サービスの提供を目指している。これに対し銀行側は、預金商品の競争力低下や預金流出の加速につながりかねないとして警戒感を強める。OCCはこうした反発がある中でも、新設銀行を奨励し、連邦銀行システムの競争力と回復力を高める方針を維持している。

今後の焦点は、Coinbaseをはじめとする暗号資産企業への追加免許の行方だ。ステーブルコインを巡る暗号資産業界と伝統的金融の競争が一段と広がれば、OCCの免許政策にも影響を与える可能性がある。今後の審査結果は、米金融市場の再編を左右する材料となりそうだ。

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