ビットコイン 写真=Shutterstock

米国の7月消費者物価指数(CPI)が鈍化したにもかかわらず、ビットコイン相場の反応は限られた。価格は6万3000ドル台の小幅高にとどまり、市場では利下げ期待がすでに相当程度織り込まれていたとの見方が広がっている。

12日付のDecryptoによると、暗号資産市場は今回のCPI発表を新たな材料とは受け止めず、相場は明確な方向感を欠いた。

米労働統計局(BLS)が発表した7月CPIは前月比0.1%上昇だった。6月は0.4%低下しており、7月の結果は市場予想と一致した。前年比では3.4%上昇と、6月の3.5%から小幅に鈍化した。

内訳では住居費の上昇が全体を押し上げた。7月の住居費指数は前月比0.1%上昇し、月間の上昇分の約3分の2を占めた。一方、エネルギー価格はガソリン安を背景に1.5%低下した。食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.2%上昇、前年比では2.5%上昇だった。

一般にインフレ鈍化は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測を強め、ビットコインを含むリスク資産には追い風となる。ただ、今回はCPIが想定の範囲内に収まり、インフレ率もなおFRBの目標である2%を上回っているため、金融政策の見通しを大きく動かす材料にはならなかった。

相場の上値が重かった背景には、期待の先行織り込みもある。ビットコイン現物ETFには先週、5営業日連続で計約8億5400万ドルが流入した。追加利上げ懸念の後退を受け、5月以降で最も強い資金流入となり、CPI公表前から金融緩和期待が相場に反映されていたとの見方が出ている。

テクニカル面でも地合いはなお弱い。ビットコインは8月初旬の急落後、6万4000ドルを下回る水準で推移しており、6万2000ドルの支持線と6万7000ドルの抵抗線の間でもみ合っている。50日移動平均線が200日移動平均線を下回っていることも、弱気シグナルとして意識されている。

予測市場の見方も大きくは変わらなかった。Myriadの投資家はCPI発表後も見通しを大幅には修正していない。同市場では、ビットコインが今月7万ドルに到達する確率を17%とみている。8万4000ドルまで上昇する可能性よりも、5万5000ドルまで下落する可能性の方が高く見積もられている。

これに先立ち、米雇用指標の悪化を受けて緩和的な金融政策への期待が高まった局面でも、ビットコインは強い上昇基調を維持できなかった。今回のCPI発表でも同様の傾向が改めて確認された格好だ。

インフレの鈍化自体は好材料だが、それだけでビットコイン相場の方向感が直ちに変わるわけではない。先行して織り込まれた利下げ期待と弱いテクニカルが重なるなか、今回のCPI鈍化も相場を大きく押し上げるには至らなかった。

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