写真=Strategy

Strategyが2026年に入ってから計6948BTCのビットコインを売却していたことが分かった。配当原資やドル準備金の確保に加え、STRCの買い入れにも充てており、これまでの「買い増し一辺倒」から資本管理の運用を見直した格好だ。Decryptが11日に報じた。

同社は2020年以降、数十億ドル規模でビットコインを買い進め、経営陣も保有分を売却しない方針を繰り返し示してきた。だが2026年に入ってからは、保有ビットコインを資金確保の手段として活用し始めている。

直近では先週、1690BTCを約1億860万ドル(約162億9000万円)で売却した。この内容は10日に開示した。3日にも1638BTCを約1億500万ドル(約157億5000万円)で売却している。

この資金のうち、5240万ドル(約78億6000万円)を優先株配当に、5230万ドル(約78億4500万円)をSTRCの買い入れに充てた。今月初めにも3588BTCを約2億1600万ドル(約324億円)で売却しており、当時は優先株配当の原資と現金確保に充当したと説明していた。

こうした売却に転じた背景には、STRC株価の下落がある。5月にはSTRCが1株100ドルを下回り、同社が新規発行で資金を調達する余地が狭まった。これまでビットコイン購入資金の調達に使ってきた手段が細ったことで、ビットコイン売却や現金の積み増し、優先株の買い入れを組み合わせる資本管理へと転換した。

ポン・レ最高経営責任者(CEO)は5月のCNBCのインタビューで、株主利益に資するのであればビットコイン売却も選択肢になると述べた。配当原資の確保に際し、株式発行よりビットコイン売却の方が1株当たりのビットコイン価値の維持に有利であれば、その手段を取る考えを示した。

マイケル・セイラー取締役会議長も同様の認識を示している。同氏は、同社の目標は「絶対に売らないこと」ではなく、「純売り手にならないこと」だと説明。デイビッド・リンのポッドキャストでも、自身が「ビットコインを絶対に売るな」という言葉で知られている一方、より正確にはビットコイン残高を純減させる売り手にはならないという意味だと語った。

Strategyは6月末、「Digital Credit Capital Framework」を導入し、ビットコイン売却の基準を制度化した。この方針に基づき、ドル準備金の補充や配当、利払い、自社株買いに充てる目的で、最大12億5000万ドル(約1875億円)相当のビットコインを売却できる。

8月2日時点のドル準備金は40億ドル(約6000億円)だった。なお、5月に実施した最初の売却分である32BTC(約250万ドル、約3億7500万円)は、この枠組み導入前の取引に当たるため、上限の算定対象には含まれない。

年初来の売却は、5月の32BTC、約250万ドルでの売却を皮切りに、その後開示された複数の取引を合算すると計6948BTC、約4億3250万ドル(約648億7500万円)に上る。同社は資金の一部を、割安圏にあるSTRCの買い入れに振り向け、株価を再び100ドル水準へ戻したい考えだ。

もっとも、ビットコインは引き続きStrategyの中核的な財務資産に位置付けられている。同社が11日に米証券取引委員会(SEC)に提出した開示資料によると、保有量は84万BTC超で、評価額は約536億ドル(約8兆400億円)に達する。

今回の一連の動きにより、Strategyは必要に応じて追加の株式発行とビットコイン売却を使い分ける資金調達の枠組みを整えた。ビットコインを単に保有し続けるだけでなく、資本政策に応じて活用する姿勢へと踏み込んだことになる。

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