画像=ChatGPT

Salesforceが、DatabricksやGoogle Cloudなど外部のデータ・クラウド基盤との連携を広げている。AIエージェント事業の拡大に合わせ、データを移動させずに活用する「ゼロコピー」とデータガバナンスを差別化要素として打ち出し、企業データの活用領域を広げる考えだ。

11日、関連業界によると、SalesforceはDatabricks、Google Cloud、Snowflake、Amazon Web Services(AWS)など主要なデータ・クラウド事業者との協業を拡大している。AIエージェント「Agentforce」が、複数のシステムに分散した企業データを活用できる環境の整備を進めている。

中核となるのは、データを物理的に複製・移動せず、元の保存先のまま利用するゼロコピー方式だ。企業が既存のデータ保管環境を維持したまま、エージェントが必要なデータや業務コンテキストにアクセスできる構成を目指す。

Salesforceは昨年、約80億ドル(約1兆2000億円)を投じてデータ管理企業Informaticaを買収した。Informaticaが持つデータカタログ、品質管理、マスターデータ管理(MDM)、ガバナンス機能をAgentforceと組み合わせ、AIが参照する企業データの信頼性を高める狙いがある。

業界関係者は「企業がAIエージェントを実運用に乗せるには、モデルの性能と同じくらい、データ接続とガバナンスが重要になる」と指摘する。「データを一カ所に集約するよりも、既存環境を維持しながら必要なデータと業務コンテキストを安全につなぐ方向に、競争の焦点が移っている」との見方も示した。

外部データプラットフォームとの連携範囲も広がっている。Salesforceは6月、Databricksとの協業拡大を発表し、両社のデータを相互に検索できる「Federated Search」を支援する方針を示した。認証連携やIDマッピング、メタデータベースへのアクセス制御も適用し、外部データを活用しながら既存の権限体系を維持できるようにする。

Google Cloudとは、AgentforceとGemini Enterpriseを連携させた。SlackやGoogle Workspace上でAIエージェントを活用し、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドなどに分散した情報を業務プロセスの中で呼び出せるようにした。

こうしたデータエコシステムの拡張は、AIエージェント事業の拡大と歩調を合わせる。Salesforceによると、Agentforceの年間経常収益(ARR)は今年1〜3月期に12億ドル(約1800億円)となり、前年の3倍超に拡大した。6月にはAIカスタマーサポートプラットフォーム「Fin」を約36億ドル(約5400億円)で買収する方針も示すなど、AIエージェント関連投資を積み増している。

Informaticaも、MCPベースのデータ管理機能をSnowflake、Databricks、Google Cloud、AWSなどのエージェントワークフローに接続している。Salesforceは、AIエージェントが特定のデータ保管先に依存せず、複数の企業システムにまたがるデータを活用できるよう、パートナーエコシステムを継続的に拡大する方針だ。

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