1万BTC超を保有する超大口ウォレットの買い増しが、2026年夏以降で最も速いペースに達している。Cryptopolitanが10日、報じた。
直近2カ月では、これらのウォレットが4万6420BTCを純増させた。3月15日以降で最大の積み増し幅だという。
今回の買い増しは、ビットコイン価格が6万5000ドル近辺まで上昇した局面と重なった。1万BTC超を保有するウォレットは、機関投資家や現物ETF、大口投資家を含む層として位置付けられる。
この層の買い越し規模は、3月に記録した2万3238BTCも上回った。
もっとも、買いが市場全体に広がっているわけではない。7月と8月に純増を示したのは、実質的に1万BTC超保有のウォレットに限られ、他の保有層はなお売り越し傾向が続いた。
個人投資家の動きは対照的だ。0.1BTC以上1BTC未満を保有する小口ウォレットは、9700BTCの純減となった。
この層はもともと売買の振れが大きいが、8月はエクスポージャー縮小に動いた。一方、超大口ウォレットは現物市場での需要を支えており、足元では小口より大口の注文が目立っているという。
ただ、この動きだけでビットコインが本格的な蓄積トレンドに入ったと断定するのは難しい。現物需要は全体として弱く、長引くもみ合い相場も新たな買いを強く呼び込む状況には至っていないとの見方が出ている。
Cryptopolitanは、足元の値動きと長い横ばいだけでは買いを押し上げるには不十分だと指摘する。クジラも追加下落の可能性を警戒していることを示唆している。
需要の地域的な変化も注目点だ。オンチェーンデータと取引所フローからは、ビットコイン需要の重心が米国から他地域へ移る兆しがみられるという。
Coinbaseプレミアム指数はなおマイナス圏にあり、米国勢の需要の弱さを示している。これに対し、買いはアジアなど他のグローバル取引所へ移る可能性がある。
Binanceでは、この変化がステーブルコインの流動性に表れている。日次ベースでステーブルコイン資金の流入が続く一方、Tron基盤のUSDTは7億ドル超が流出した。これに対し、Ethereum基盤のステーブルコインが流動性を補っているという。
こうした資金の一部は、ビットコインに向かう可能性がある。ただ、同メディアは、この流動性構造自体がビットコイン上昇を保証するものではないと指摘。プレミアムや板の厚みに変化をもたらし、地域別の取引急増につながる可能性があると説明した。
企業の財務戦略に基づく需要も続いている。10日時点では、Strategyが再びビットコイン購入に動くかどうかが市場の注目を集めている。
購入再開の有無は、投資家心理の変化を示すシグナルになり得るという。H100 Groupは11日、2455.37BTCの購入を発表した。
ビットコインを財務資産として積み上げる需要が引き続き有効であり、長期保有を前提とした買いの基盤として機能し得ることを示す事例といえそうだ。
もっとも、市場心理が明確に転換したとは言い切れない。ビットコインのセンチメントは過去3カ月の大半で恐怖圏にとどまり、もみ合い相場が底打ち確認を遅らせている。
超大口による買い集積や、取引所内のステーブルコイン流動性の変化は確認されているが、市場を大きく動かすほどの確信買いに転じたとみるのはなお早い、との見方が出ている。