Apple CarPlay(写真=Apple)

Tesla、Rivian、GMが、Appleの車載インターフェース「CarPlay」を採用しない、あるいは機能を限定する姿勢を維持している。背景には、車内データの取得や機能統合、AI、自動運転との連携など、車載ソフトの中核を自社で握りたいとの狙いがある。米ITメディアの9to5Macが現地時間8月7日に報じた。

3社に共通するのは、車内体験の主導権をスマートフォン側のプラットフォームに委ねない点だ。CarPlayは消費者に浸透した機能ではあるものの、完成車メーカー各社は、ソフトウェアを含む中核体験は自社で直接統制する戦略を鮮明にしている。

このうち、変化の可能性が最も取り沙汰されているのがTeslaだ。Teslaはこれまで、車載インフォテインメントを自社ソフト中心で設計してきており、CarPlayを公式にサポートしたことはない。

もっとも、2025年11月には、TeslaがCarPlay対応を積極的に開発しており、数カ月以内に導入する可能性があるとの報道も出ていた。その後も実装には至っていないが、今年2月にはマーク・ガーマン氏が、TeslaとAppleがAppleマップとTeslaの自動運転機能を併用する際の体験改善に向けて協力していると伝えた。

Appleは6月の開発者向けセッションで、iOS 26に関連する変更が含まれることをデモしたが、TeslaでCarPlayが適用されるかどうかは確認されていない。

仮にTeslaがCarPlayを導入するとしても、ディスプレー全体をCarPlay化するのではなく、TeslaのUI内にウィンドウのように組み込む方式になる可能性が高い。自社ソフト基盤を維持しながら、一部機能のみをAppleのエコシステムと連携させる形になるとみられる。

一方、RivianはCarPlay非対応の姿勢が最も明確なメーカーの一つだ。経営陣はこれまで複数回にわたり、CarPlayを搭載する計画はないと表明してきた。

RJ・スキャリンジCEOは、ユーザーがRivianのインフォテインメントシステムとCarPlayを行き来する設計は望ましくなく、必要な機能はすべてRivianのプラットフォーム内で一貫して提供されるべきだとの考えを示している。

スキャリンジ氏は昨年10月のインタビューに続き、今年も同様の見解を改めて示した。複数のプラットフォームをまたいで一貫した体験を実現するのは「非常に難しい」としている。

Rivianにとっては、車内体験を単一のオペレーティングシステムに統合する戦略こそが、CarPlayを採用しない理由の中核にある。

最近の発言はさらに踏み込んでいる。ソフトウェア責任者のワシム・ベンサイド氏は、車内でのAI統合が深まるほど、CarPlayを巡る議論そのものが意味を失う可能性があると主張した。

同氏は「車内でこのレベルの深いAI統合が可能になれば、CarPlay論争は完全に無用になる」と述べた。Rivianは、スマートフォン連携よりも、車両そのもののソフトウェアとAIを軸に体験を設計する方針を鮮明にしている。

GMは、CarPlay見送りを最も明確に打ち出してきたメーカーの一つだ。2023年3月には、今後発売する電気自動車でCarPlayを採用しない方針を発表した。

当時GMは、充電機能や自動運転機能をさらに改善できるほか、ドライバーがそれらの機能をどう使っているかに関するデータも、より多く取得できると説明していた。

その後の3年間、GMはこの方針を維持してきた。CarPlayを搭載しないことがドライバーの安全性向上につながったとの主張も示している。

さらに昨年には、今後投入するガソリン車など内燃機関モデルでも、CarPlayとAndroid Autoのサポートを段階的に縮小する計画を公表した。電気自動車に限っていた方針を、全製品群へ広げる流れとなっている。

もっとも、各社のアプローチには違いがある。Teslaには限定的な導入余地が残る一方、Rivianは公式に拒否姿勢を繰り返し表明している。GMはむしろ、不採用の対象を広げる方向に動いている。

CarPlayを重視する消費者にとっては、車種やブランドを選ぶ際、各社のソフトウェア戦略そのものが判断材料になりそうだ。

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