出生順によって疾患の診断頻度に差が出る可能性を示した研究結果。写真=Shutterstock

第一子か第二子かという出生順によって、診断されやすい疾患の傾向が異なる可能性があることが分かった。米Gizmodoは10日(現地時間)、米国の民間医療保険データに含まれる2人きょうだい1000万人超を分析した結果、第一子と第二子で診断頻度に有意差がみられた疾患が150疾患に達したと報じた。

研究は、シカゴ大学のベンジャミン・クレイマー氏のチームが実施した。2003〜2024年の医療保険請求データを基に、2人きょうだい513万5006組、計1027万12人を分析対象とした。

このうち、異なる家庭に属する第一子と第二子を組み合わせ、性別や出生年などの条件が近い161万6881組を比較した。さらに、同一家庭内の第一子と第二子も別に比較し、遺伝要因や家庭環境の影響をできるだけ抑える設計とした。

調べたのは569疾患で、症例数が十分だった418疾患のうち150疾患で、出生順による有意差が確認された。内訳は第一子で診断頻度が高かった疾患が79、第二子で高かった疾患が71だった。一方が一律にリスクが高いというより、疾患の種類によって差が分かれる結果となった。

具体的には、第一子は第二子に比べ、詳細不明の広汎性発達障害(PDD)が約43%多く、自閉症が約26%、食物アレルギーが約20%、アレルギー性鼻炎が約9%多かった。

これに対し、第二子は第一子より、帯状疱疹が約35%多く、物質乱用が約19%、胃炎・十二指腸炎が約14%、偏頭痛が約13%多かった。

第一子でアレルギー関連疾患の診断が多かった背景について研究チームは、第二子は年上のきょうだいを通じて、多様な微生物に早い段階でさらされる可能性があると指摘した。こうした環境が免疫寛容の発達に影響し得るとしている。

一方、神経発達疾患で差が出た理由は、単一の要因では説明しにくいという。研究チームは、PDDや自閉症で第一子の診断割合が高かったことについて、「妊娠順に伴う生物学的な違い、親による観察の差、診断時期、分析で取り除ききれなかった要因が複合的に作用した可能性が高い」と説明した。

もっとも、今回の結果は、第一子と第二子のどちらかが実際に特定の疾患にかかりやすいと断定するものではない。分析対象が実際の発症ではなく、医療機関で記録された診断情報と保険請求データであるため、受診しなかったケースは含まれていない。

受診行動や診断時期、親の年齢といった変数も完全には排除できない。研究チームも、出生順自体が疾患発生の原因であることを示すものではないとしている。

また、分析対象が民間医療保険に加入する2人きょうだい世帯に限られている点も制約だ。きょうだいの多い家庭や無保険者、公的医療保険の加入者でも同様の傾向がみられるかどうかは断定できないという。

全体として出生順による差は大きくなく、第一子と第二子の診断頻度差の中央値は約10%だった。研究チームは、出生順が複数の疾患における限定的なリスク指標として活用できる可能性があるとする一方、診断記録だけでなく、実際の発症や生活環境、家族構成も踏まえた追加研究が必要だとしている。

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