写真=マイケル・セイラー氏(Strategy会長)

米暗号資産規制を巡る議論が再び熱を帯びている。Strategy会長のマイケル・セイラー氏は、米デジタル資産市場構造法案「CLARITY法(CLARITY Act)」について、ビットコインそのものにとっては不可欠ではないとの考えを示した。ビットコインの機能と、米国内の暗号資産業界に必要な制度整備は分けて考えるべきだという立場だ。

ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、セイラー氏は7日付の投稿で、長く議論されてきたCLARITY法がなくても、ビットコインは機能し得るとの見解を示した。

この発言は、米上院が夏季休会前にCLARITY法を本会議での採決にかけず、審議日程を先送りした直後に出た。セイラー氏は「ビットコインにこの法案は必要ない」とする一方で、米国が国内の暗号資産業界を育成するうえでは、関連法の整備が必要だとの認識も示した。

セイラー氏は、ビットコインにCLARITY法が不要だとする具体的な理由までは説明していない。ただ、市場では、ビットコインが特定の国の規制枠組みや立法の有無に左右されず、すでにグローバルなネットワークとして機能している点を強調したものと受け止められている。

市場の受け止めは分かれている。ビットコインは特定の規制法案の成否とは無関係に機能してきたとして、セイラー氏の見方に同調する声がある一方、暗号資産市場の制度整備や機関投資家の参入拡大には、明確な規制枠組みが欠かせないとの反論も出ている。

焦点となっているCLARITY法は、米国内のデジタル資産の法的性格や、規制当局の管轄をより明確に定めることを目的とする法案だ。成立すれば、暗号資産市場を巡る規制の不確実性が和らぎ、米国が世界のデジタル資産産業の中心地としての地位を強める追い風になるとの期待が出ていた。

このため、セイラー氏の発言は法案の必要性を全面的に否定したというより、ビットコインという資産の性格と、米暗号資産業界に必要な制度基盤は切り分けて捉えるべきだとの問題提起とみる向きが多い。ビットコインは法案がなくても機能し得る一方、米国が暗号資産業界を積極的に育成するには、別途の法的枠組みが必要だという考え方だ。

CLARITY法の採決は9月に持ち越された。米上院は8月の休会前に法案採決を行わない方針を示しており、市場が注目していた審議は翌月以降に先送りとなった。休会後に法案を再協議する見通しで、与党の上院院内総務ジョン・スーン氏も9月の採決を推進する方針を確認したと伝えられている。

今後の焦点は大きく二つある。1つは、ビットコインが米国の制度整備とは切り離されても独自に機能し続けるのか。もう1つは、米国が世界の暗号資産ハブを巡る競争で優位を確保するために、どの程度まで規制の明確化を進める必要があるのかという点だ。

セイラー氏は、ビットコインにCLARITY法は不要との立場を示した一方で、米国に暗号資産関連法が必要だという点も強調した。上院が9月に実際に採決に踏み切るか、また法案がビットコインを含む主要デジタル資産の規制上の位置付けをどう定めるかが、今後の米暗号資産市場を占ううえで重要な焦点となりそうだ。

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