ビットコイン(写真=Shutterstock)

Imperry Digitalは7月1日から8月6日にかけて、1635BTCを1億220万ドルで売却した。ビットコイン保有残高は1279BTCに減少し、このうち自由に動かせる残高は325BTCにとどまっている。

CryptoSlateが9日に報じたところによると、保有する1279BTCのうち954BTCは、3500万ドルの債務に対する担保として拘束されている。残る325BTCのみが実質的な流動性のバッファーとなる。

今回の売却は、上半期から続く資金繰り対応の一環とみられる。Imperry Digitalは2026年上半期にも1167BTCを8010万ドルで売却していた。

同期間には5400万ドル規模の自社株買いを実施したほか、レポ型融資枠で5000万ドル、別のマスターローン契約で1000万ドルをそれぞれ返済した。

同社は、株式発行で調達した資金とビットコイン売却代金をレポ型融資の返済に充てたと説明している。ただ、資金使途の詳細な内訳は明らかにしていない。

焦点は、残るビットコインもなお担保構造に大きく左右される点にある。融資条件の見直し後も、担保価値比率を174%に維持することが求められている。

この比率が153%を下回ると追加担保の差し入れを求められ、143%を割り込んだ後、12時間以内に是正できなければ強制清算が可能になる。

Imperry Digitalは実際、2月4日に576BTC、6月3日に186BTCを貸し手に移した。開示資料によれば、いずれも強制清算ではなく、担保補強を目的とした移転だったという。

その後、6月30日以降に2000万ドルを追加返済したことで、担保負担は一部軽減した。貸し手は585BTCを返還し、担保拘束分は1539BTCから954BTCへ、債務残高は5500万ドルから3500万ドルへそれぞれ縮小した。

もっとも、資金負担が解消したわけではない。データセンター向け不動産の取得が完了した場合、6210万ドルの追加負担が発生する可能性がある。

同社はすでに、TexStackが管理する別の不動産事業体EMHUに290万ドルを出資している。追加の資金拠出義務は取得完了時にのみ発生するが、取引終結に向けた手続きはTexStackが統制している。

さらに、Imperry Digitalの保証を根拠に、比例的な追加出資請求が行われる可能性もあるとしている。

このほか同社は、Cardinal Data Powerへの2000万ドルの投資も完了した。これにより約8%の持ち分を取得したが、この投資に直接ひも付く追加の資金拠出義務は開示していない。

手元流動性にも余裕は乏しい。6月30日時点の現金は、制限付き現金を含めて370万ドルで、運転資本は570万ドルの不足だった。

経営陣は、現金、事業収入、デリバティブ収益、借り入れに加え、必要に応じたビットコイン売却を組み合わせることで、計画中の事業運営や債務返済、条件付きの不動産出資まで含め、1年以上にわたって資金需要を賄えるとしている。

一方で、担保圧力が再び強まる、あるいは不動産取得が成立すれば、自由に動かせる325BTCのバッファーは急速に縮小する可能性がある。

今回の開示は、ビットコインを長期保有資産の中核に据える財務戦略が、負債や担保条件、新規投資契約の影響を受けやすい現実を改めて示した。返済によって一定の圧力は和らいだものの、利用可能なビットコイン残高が大きく減ったことで、今後は資金配分と担保管理の巧拙が一段と重要になりそうだ。

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