ブラジル中央銀行は、海外の事業者や自己保管型ウォレットに向けた一部の暗号資産移転について、最大24時間の保留を義務付ける新たな規制を導入する。詐欺対策の一環で、施行日は2027年1月1日。Cointelegraphが9日(現地時間)に報じた。
対象となるのは、1回の取引、または1日あたりの累計で1万ドルを超える資金を受け取り、その資金を海外の事業者や自己保管型ウォレットに移転するケース。このほか、事業者が自社のリスク管理方針に照らして追加の確認が必要と判断した移転も保留対象に含まれる。
事業者は、移転を保留した場合、その旨を顧客に通知しなければならない。あわせて、詐欺の発生・未遂事案や是正措置の記録を保存する義務も負う。中央銀行の基準に基づく審査が完了すれば、24時間の経過前でも移転を再開できる。
Cointelegraphは、今回の措置について、デジタル資産の高い流動性や国境をまたぐ送付の仕組みを悪用した詐欺への対応であり、各国が安全対策を強化する流れに沿うものだと伝えた。
日本では、金融庁と警察庁が暗号資産交換業者に対し、顧客による法定通貨の入金直後やデジタル資産の購入直後の出金を制限するよう要請している。あわせて、出金先アドレスの事前登録、新規アドレス利用前の待機期間の設定、顧客ごとの出金上限の設定、監視体制の強化、フィッシング耐性の高い多要素認証の導入、銀行送金者と暗号資産口座保有者の氏名照合といった対策案も示した。
もっとも、日本の措置はブラジルの規制とは異なり、法的拘束力はない。各交換業者が自社の運用体制や悪用リスクに応じて、適用方法を判断する。