企業システムへのAIエージェント導入が進む中、従来のセキュリティや権限管理の枠組みだけでは統制しきれないとの見方が強まっている。SiliconANGLEが5日(米国時間)に報じたところによると、セキュリティ企業Rubrikは、エージェントのアクセスをツール呼び出し単位で制御する「Rubrik Agent Identity」を発表した。自律型AIエージェントには、従来とは異なる新たな統制レイヤーが必要だとしている。
RubrikのAI部門責任者、デブ・リシは、AIエージェントが人間の利用者やサービスアカウントとは異なるセキュリティ上の課題を生むと説明した。AIエージェントは、非決定的なモデルとID連携の仕組みを組み合わせて動作するため、従来のソフトウェアセキュリティの前提だけでは捉えきれないという。
課題は、個々の動作がいずれも正当な権限の範囲内で実行され得る点にある。例えば、エージェントがSalesforceからデータを取得し、その後に機微情報を社外宛てのメールへ貼り付けるケースだ。各操作が単体では許可されていても、複数の動作が組み合わさることでリスクになり得る。
こうした問題への対応策として、Rubrikは小規模言語モデル「Sage」を適用したと明らかにした。Sageは、サイバーセキュリティの専門家の判断を模して、エージェントの行動を見分けられるように学習させたという。ただ、リシは、エージェントは同じ時間で人の10倍の処理をこなすため、人が都度承認ボタンを押す運用では対応しきれないと指摘した。
エージェント・ガバナンスの出発点として挙げたのが、オブザーバビリティだ。一方で、大規模環境では未加工のテレメトリーデータそのものが新たな負担になり得る。Rubrikは社内運用で数兆個のトークンが発生しているとし、危険信号やコスト急増の局面を見極めるには、別のインテリジェンス層が必要になると説明した。
今回の事例は、AIエージェントのセキュリティが単なる権限付与では完結しないことを示している。企業は、エージェントの個別動作だけでなく、動作の組み合わせによるリスク、コストの集中、運用の可視性まで含めて管理する段階に入りつつある。
韓国でも、AIエージェント活用の取り組みは広がっている。Kakaoは、AIエージェントを一元的に探して利用できるマーケットプレイスの構築に乗り出す。アプリストアのように多様なAIエージェントやツールを登録・検証し、利用者が必要な機能を見つけて組み合わせて使えるエコシステムを目指すとしている。
この連携が実現すれば、利用者は別のアプリに移らず、KakaoTalkのチャットルーム内でAIを通じて飲食店の提案を受け、注文から決済までを一括で済ませられる見通しだ。一方で、こうした連携が広がるほど、セキュリティや権限管理の統制は一段と重要になる。