画像=Krafton「PUBG: BATTLEGROUNDS」

オンラインゲームやモバイルゲームを主力としてきた各社が、紙のトレーディングカードゲーム(TCG)市場への参入を広げている。ゲーム内のキャラクターや世界観をカードに展開し、ゲーム外でもIPとの接点を維持する狙いがある。既存のゲーマーに加え、コレクター層やオフラインのカードユーザーを取り込む動きとして注目される。

業界関係者によると、Kraftonはカードゲーム開発会社Cardmonsterと組み、「PUBG: BATTLEGROUNDS」のIPを活用した紙のカードゲームを準備している。Riot Gamesも、「League of Legends(LoL)」の世界観を取り入れた実物TCG「Riftbound」を9月に韓国で発売する。

オンラインゲームの有力IPが相次いでオフラインのカード市場に乗り出す背景には、ポケモンが切り開いた実物カード事業の成功があるとみられる。

◆独自展開とIP参加型に二極化

ゲーム各社のTCG参入は、大きく2つの形に分かれる。自社IPだけで独自ブランドを立ち上げる形と、すでに運営されているTCGに自社IPを参加させる形だ。

独自TCGを展開する例としては、Krafton、Riot Games、DevSistersが挙げられる。

KraftonはCardmonsterと提携し、「PUBG: BATTLEGROUNDS」の中核であるサバイバル要素と、最後の1人になるまでの緊張感をカードゲームで表現する計画だ。発売時期やゲームシステムの詳細は明らかにしていない。リアルタイム戦闘を軸とするバトルロイヤルを、デッキとルールで進行するカードゲームに再構成する点が特徴となる。

Riot Gamesの「Riftbound」は、チャンピオン、部隊、呪文の各カードでデッキを組み、2人から最大4人で対戦する方式を採る。7月の「2026 LoL Mid-Season Invitational(MSI)」ファンフェスタでは体験スペースを設け、T1のワールドチャンピオンシップ優勝記念カードと韓国限定プロモーションカードも公開した。eスポーツファンをカードゲームユーザーへ広げ、オンライン中心のファンダムをオフライン接点へつなげる狙いがある。

DevSistersは3社の中で最も早く動いた。2023年9月に「CookieRun: Braverse Card Game」を発売し、北米を含むグローバル市場へ事業を拡大してきた。昨年の世界流通契約数量は5000万枚を超えた。

今年4月には初のグローバル大会「World Championship」を開催。6月には、eBayが運営するグローバルTCG取引プラットフォーム「TCGplayer」に公式出店し、専用カテゴリーも確保した。単なる商品販売にとどまらず、大会、コミュニティー、二次流通まで含めた独自エコシステムの構築を進めている。

一方、Gemblo Companyが開発した韓国産TCG「Nibel Arena」は、複数IPを束ねる参加型モデルだ。Shift Upの「Goddess of Victory: NIKKE」と「Stellar Blade」、Smilegateの「Epic Seven」、NEOWIZの「BrownDust2」、Nimble Neuronの「Eternal Return」などが、同一ルールのカードゲームに組み込まれている。11月にはNEXON Gamesの「Blue Archive」が新たに加わり、12月には「BrownDust2」関連の日程が続く。

ゲーム会社側にとっては、カードゲームの開発、生産、流通網を自前で整えなくても、IPを実物カードへ展開できる利点がある。Nibel Arena側も、新たなIPを追加するたびに、それぞれのゲームのファン層を取り込める。

5月に発売した「Stellar Blade Nibel Arena」ブースターパックには、カードゲーム向けのオリジナルイラスト約50種を収録した。原作ゲームの画面をそのまま使うのではなく、カードでしか見られないビジュアルを用意することで、コレクション需要の取り込みを狙った格好だ。

◆ゲーム会社が紙TCGに向かう理由

こうした動きの背景には、ポケモンが育ててきた実物カード市場の存在がある。ポケモンTCGは今年3月末時点で世界累計生産枚数が850億枚を超え、90カ国以上で販売されている。韓国でも取引は増えており、限定品取引プラットフォームKREAMにおけるポケモンTCGカテゴリーの取引額は、今年上期に前期比で約35倍に増えた。

TCGは、対戦用にデッキを組むプレイヤーと、レアカードやイラストを求めるコレクターの双方を取り込めるジャンルだ。新規カードパックや拡張パックを継続的に投入できるうえ、オフラインのカードショップ、大会、ユーザー間取引へと事業領域を広げやすい点も、ゲーム会社にとって魅力となる。

デジタルアイテムと異なり、ユーザーが現物を手元に保有できる点も大きい。ゲームにログインしていない時間でも、カードの収集や売買、大会参加を通じて、ユーザーとIPの接点を保ちやすい。

ゲームプレイを通じて形成されたキャラクターや世界観への関心を、カードの購入や収集、大会参加につなげ、再び原作IPへ還流させる構造を作れるという見方もある。既存のゲーム事業を補完しながら、IPの収益源を広げられるためだ。

◆成否を左右するプレイヤー基盤

もっとも、知名度の高いIPを使えば長期ヒットが約束されるわけではない。原作ファンの初期需要が一巡した後もユーザーをつなぎ留めるには、カードゲーム自体の戦略性に加え、継続的な新カード供給とカード間のバランス管理が欠かせない。

実際にカードを遊べるオフライン店舗や定期大会、初心者が参入しやすい環境づくりも必要になる。レアカードの取引価格ばかりが注目されれば、ゲーム性よりも投機や転売需要が市場を左右する可能性もある。

結局のところ、ゲーム会社のTCG事業の成否は、初弾の販売量ではなく、独立したプレイヤー基盤をどこまで築けるかにかかっている。原作ファンをカード購入者として取り込むだけでなく、自らデッキを組み、大会に参加する継続ユーザーへ転換できてこそ、拡張パックの継続販売とファンダム拡大につながるためだ。

業界関係者は「海外では、ゲームIPのTCG展開は1つの定石として定着している」としたうえで、「ただ、海外の成功例もカードそのものの完成度に加え、大会運営や流通網を長年かけて磨き上げた結果だ。韓国のゲーム会社も、IPの知名度だけに頼るのではなく、そうした運営力を備えることが先だとの指摘がある」と話した。

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