科学技術情報通信部は、AI・ソフトウェア事業の対価算定体系を中長期で見直す工程表を策定しており、9〜10月の公表を目指している。生成AIやAIエージェントといった新たな事業類型の拡大に加え、AI開発ツールの普及に伴うソフトウェア開発手法の変化を基準に反映する方針だ。
同部によると、現在まとめているのはAI・ソフトウェア事業の対価算定体系について中長期の改善方向を盛り込んだロードマップだ。早ければ9月にも公表する。
韓国人工知能・ソフトウェア産業協会(KOSA)が公表している「SW事業 対価算定ガイド」には、AI導入案件を独立した類型として扱う算定基準が盛り込まれている。AIサービス導入にかかる事業費を、サービス利用料、カスタマイズ作業費、構築・開発費に分けた上で、データ収集・精製・加工、モデル最適化・ファインチューニング、検証・安定化といったAI特有の作業も反映している。
もっとも、政府は、生成AIやAIエージェントなど新たな類型の登場や、AI開発ツールの普及を踏まえると、既存基準には追加的な見直しが必要だとみている。
このため同部は5月、KOSAと産業界、学界、研究機関の専門家が参加する「人工知能・ソフトウェア事業 対価体系改善タスクフォース(TF)」を発足させた。
TFでは、現行の対価算定体系やAI・ソフトウェア事業の事例を踏まえ、見直しの方向性を議論している。既存のKOSAガイドとの差分に加え、新たに反映すべき事業類型や対価算定方式などを幅広く検討しているという。
海外事例についてもあわせて調べている。ただ、政府は、公共ソフトウェアの発注慣行や契約、対価算定の仕組みは国ごとに異なるため、特定の国の基準をそのまま国内に適用するのは難しいと説明している。
科学技術情報通信部の関係者は、「既存のKOSAガイドとどのような差を設けるかなど、具体的な内容はまだ議論中だ」とした上で、「国ごとにソフトウェアの発注文化や契約・対価体系が異なるため、主要国の事例も参照しながら、国内環境に合った改善方向を検討している」と述べた。
業界内では、AI案件は契約段階で必要な作業規模を正確に見積もりにくい点も考慮すべきだとの指摘が出ている。実データを投入してモデルを動かしてみないと、データ精製や追加学習、ファインチューニングがどの程度必要になるか見えにくいケースが多いためだ。
AI・ソフトウェア業界の関係者は、「AI事業は、実データを使ってモデルを適用してみて初めて必要な作業量を把握できる場合が多い」とし、「データ精製や再学習、ファインチューニングなど、事業の過程で発生する多様な作業を適正な対価にどう反映するか、その基準をより具体化する必要がある」と語った。