写真=Cohereのフランク・オダウドCRO

Cohereは8月5日、企業向けAI分野でソブリンAIを軸とする戦略をあらためて示した。既存システムを置き換えるのではなく補完しながら導入効果を高める方針で、韓国と日本に現地法人を設立するほか、年末までにAPACの技術・営業人員を現在の2倍に拡充する。あわせて、1兆パラメータ級の新たな大規模モデルを年内に投入する計画も明らかにした。

同日の記者懇談会で、フランク・オダウドCROは「顧客がこれまで投資してきたシステムを置き換えるのではなく、それを補完して効果を高め、低コストで利用できる企業向けAIソリューションを提供する」と述べた。

オダウドCROは、Cohereが創業当初からソブリンAIに注力してきたと説明。他社も最近になって同様の方向に動き始めているとの見方を示した。

同氏は「Cohereは主要クラウド各社の環境でサービスを提供している」とした上で、「金融、製造、通信、ヘルスケア、製薬といった規制産業の企業は、自社データセンターでオンプレミス運用することもできる」と語った。

さらに、「競合他社と異なり、自社モデルの販売拡大を目的としたプラットフォームは目指していない」と説明。「オンプレミス、クラウドなど環境を問わず、さまざまなモデルを活用できるプラットフォームを構築している」と強調した。

同社によると、企業向けAIプラットフォーム「North」は、各種モデルに加え、Embedding、リランキング用モデル「Cohere Rerank」、翻訳モデルを提供する。

Northは、クラウドとオンプレミスのいずれの環境でも、最先端モデルとオープンソースモデルの双方を活用し、推論やエージェント型AIソリューションを構築できるよう設計されている。利用企業はエージェントカタログを通じて、業務内容やコストに応じて最適なモデルを選び、管理できるという。

検索ソリューション「Cohere Compass」は、Embedding、Cohere Rerank、翻訳モデルを基盤に構成する。最先端モデルで検索処理を行う前段でリランキングを活用することで、トークンコストの抑制を図れるとしている。

Cohere Rerankは、検索システムが一次抽出した文書リストを入力として受け取り、ユーザーの質問との関連性を再評価した上で順位を付け直すリランキング用モデルだ。

Cohereは年末までに、1兆パラメータ規模の新たな大規模モデル「Command A Plus」を投入する計画だ。

オダウドCROは、コスト効率もCohereの強みとして挙げた。「Cohereのモデルは他社に比べて少ないハードウェアで動作し、計算効率が高い。この効率性によって、GPUへのアクセスが限られる地域を含め、さまざまな環境でエージェント型AIを実装できる」と述べた。

翻訳性能についても、「アラビア語ベンチマークでは、上位3社の最先端モデルと同等の性能を示した」として自信を示した。

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