Coinbaseのライアン・バングラック副会長は4日(現地時間)、米暗号資産市場構造法案「Clarity法案」について、8月の議会休会前に成立する可能性があるとの見方を示した。上院では民主党指導部が手続き採決の先送りを求めているが、共和党側は予定通り進める構えを崩していない。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、バングラック氏はCBS Newsのインタビューで、足元では法案成立への期待がやや後退しているものの、現時点で悲観する必要はないと述べた。「ワシントンでは、土壇場での交渉や妥協は日常的だ」とし、立法プロセスは一直線には進まないとの認識を示した。
Coinbaseは、法案の大枠はすでにかなり整理されているとみている。バングラック氏は、投資家保護や執行体制に関する条文はすでに盛り込まれており、共和・民主両党の幅広い協議を経て内容が固まってきたと説明した。数百ページに及ぶ法案が整っていることから、実質的な論点の多くはすでに整理済みだという。
Clarity法案の柱は、暗号資産関連の活動をどの規制区分に位置付けるかを明確にする点にある。バングラック氏は、暗号資産が登場してから15年が経過したにもかかわらず、新たな技術が既存の規制体系のどこに当てはまるのか、なお明確でないと指摘した。その上で、投資家や事業者にとって、今後はどの規制当局の管轄下に入り、どのルールに従うべきかが明確になるとの考えを示した。
また同氏は、業界は規制回避を狙っているのではなく、明確なルール整備を求めていると強調した。Coinbase自身も、ルール整備を求めて米証券取引委員会(SEC)を相手取り提訴した経緯があると付け加えた。
一方、上院での審議の行方はなお不透明だ。上院民主党指導部は、ホワイトハウスが超党派の倫理提案に回答する前に手続きを進めるのは時期尚早だとして、Clarity法案を巡る手続き採決の先送りを求めている。これに対し、上院多数党トップのジョン・スーン氏は、週明けの夜の時点でも採決は予定通り実施されるとの立場を維持した。
ブライアン・アームストロング氏はCoinbaseの最高経営責任者(CEO)として、法案処理の遅れが米国内の規制の不確実性を長引かせる可能性があるとして、議員らに早期対応を促している。
市場の見方にも慎重さが広がっている。Bernsteinは、Clarity法案が成立しなければ、米国の規制の不確実性が長期化し、暗号資産の価値に重しとなる可能性があると警告した。規制の枠組みが明確にならなければ、投資判断と事業推進の双方に制約が生じかねないとの懸念もある。
予測市場のPolymarketにもこうした見方が反映された。2026年内にClarity法案が成立する確率は24%まで低下し、6月上旬の57%から大きく下げた。
Clarity法案の行方は、米国の暗号資産規制の整備ペースを左右する重要な材料となっている。上院で手続き採決が実施されるか、超党派の合意が最終的な立法段階まで維持されるかが、次の焦点となる。