写真はアシャ・シャルマ氏のXへの投稿

Microsoftが、次世代Xboxで歴代コンソールとPCゲームをまたぐ大規模な互換戦略を検討していることが分かった。実現すれば、2001年発売の初代XboxからXbox 360、Xbox One、Xbox Seriesまでを単一のエコシステムで扱う構想となる。

米ITメディアのThe Vergeが8月4日(現地時間)に報じた。それによると、Microsoftの次世代Xboxプロジェクト「Project Helix」は、旧世代のコンソール向けタイトルとPCゲームを同時にサポートする方向で開発が進められている。

狙いは、世代ごとに分断されてきたゲームライブラリを単一デバイス上で扱えるようにすることにある。Microsoftはこれまで、初代Xboxの一部タイトルをPCに対応させるほか、Xbox OneやXbox Seriesのディスク版コンテンツをデジタルライセンスへ移行する仕組みも準備してきたとされる。

報道で触れられた文書には、Xbox 360タイトルへの対応計画も盛り込まれていた。Xbox 360向けゲームがProject Helixと「Xbox PC」で動作すると明記され、デジタル化されたXbox OneおよびXbox Seriesのディスク版コンテンツは、あらゆるXboxデバイスで利用できるとしている。

もっとも、この計画がそのまま完全な後方互換を意味するわけではない。最大の論点は物理ディスクへの対応だ。Microsoftは、Project Helixにディスクドライブを搭載するかどうかをまだ決めていないとされる。従来のようにディスクを挿入してそのままプレイする方式ではなく、デジタルライセンスへの移行を軸にした仕組みになる可能性がある。

もう一つの焦点は、ゲームパブリッシャーの参加だ。公開された文書は消費者向けの発表資料というより、パブリッシャー向け提案資料としての色彩が濃いという。文書には「パブリッシャーが得られる利点」の項目があり、旧作の再販機会を提供できることや、物理ディスク利用者をデジタル購入へ移行させられる点が強調されていた。特に、物理ディスク所有者をデジタル顧客へ転換する趣旨の内容も含まれていたと伝えられている。

ただ、すべてのゲームが自動的にProject Helixへ組み込まれるわけではない。初代XboxとXbox 360のタイトルについては、タイトルごとにパブリッシャーが参加の可否を判断する必要がある。

価格設定はパブリッシャー側が担い、Game Passへの追加可否も個別に決められる。Project Helixが掲げる「すべてのXboxゲームの統合」は、実際の投入時点ではタイトルごとの差が生じる公算が大きい。

Microsoftはこれまでも後方互換の拡大を進めてきたが、全タイトルの復活には限界があった。2015年から2021年にかけて、Xbox OneとXbox Seriesで動作可能として対応したタイトルは、Xbox 360ライブラリ全体の約4分の1、初代Xboxライブラリの約6%にとどまった。

自社保有タイトルであっても、恒久的な提供が保証されるわけではない。代表例として、「Forza Horizon」シリーズの一部作品は、車両や音楽に関するライセンス契約の満了に伴い販売終了となった。旧作を最新機で維持するうえでは、技術面以上に著作権や契約条件が大きな障害になり得ることを示している。

それでもMicrosoftは、長期的にはゲーム保存機能の強化を進める方針だ。2027年からXbox 360ゲームにクラウド保存機能を追加する案も検討していると報じられている。

業界では、Project Helixは従来のコンソール競争とは異なる戦略になり得るとの見方が出ている。新作の性能競争ではなく、PCとコンソール、最新作と旧作を単一のエコシステムでつなぐプラットフォーム戦略に近いという分析だ。「最大のゲームライブラリ」という目標を実現できるかどうかは、パブリッシャーをどこまで取り込めるか、そして権利処理の課題をどこまで解消できるかにかかっている。

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