韓国の科学技術情報通信部と韓国研究財団は5日、8月の大韓民国科学技術人賞の受賞者に、仁荷大学社会インフラ工学科のイ・ジョンハン教授を選定したと発表した。社会インフラの材料劣化や部材損傷、構造挙動を一体的に解析する「ライブデジタルツイン技術」の開発成果が評価された。
従来のインフラ維持管理は、個別の損傷要因の分析や事故後の点検が中心で、複合的な損傷や将来の性能低下を予測するには限界があった。
これに対し研究チームは、凍結融解や炭酸化、塩害が同時に進行する環境下で、コンクリートの非線形な劣化過程を定量的に解明した。さらに、重量車両の通行による荷重など多様な変数を連動させる解析手法を通じて、損傷の発生位置や拡大経路を高精度に予測できる基盤を築いた。
また、設計図面から作成した3次元情報モデル「BIM(Building Information Modeling)」を、解析用の「FEM(Finite Element Method)」モデルへ自動変換するフレームワークも構築した。解析結果を仮想空間に反映することで、過去から現在までの状態に加え、将来の性能変化までを時間軸と空間軸で統合管理できるようにした。
イ・ジョンハン教授は、科学技術情報通信部の基礎研究室事業の支援を受けて同技術を開発した。関連成果は2025年に「Reliability Engineering and System Safety」など複数の国際学術誌に掲載され、特許出願とソフトウェア登録も完了している。
イ・ジョンハン教授は「ライブデジタルツイン技術は、事後点検に依存してきた従来の維持管理を、予測に基づく先制型の仕組みに転換する点に意義がある」とコメント。「橋梁にとどまらず、トンネルや港湾など多様なインフラへ技術適用を広げていく」とした。
大韓民国科学技術人賞は、直近3年間に独創的な研究成果を挙げ、科学技術の発展に寄与した研究者の中から毎月1人を選ぶ制度。受賞者には副総理賞と賞金1000万ウォンが贈られる。科学技術情報通信部は今年から、従来の「今月の科学技術人賞」を「大韓民国科学技術人賞」に改称した。