写真=Cardano FoundationのXより

Cardanoは、Layer 1ブロックチェーン「Injective」との初のオンチェーンIBC(Inter-Blockchain Communication)接続をテストネットで開始した。これにより、CardanoからInjectiveへADAを、InjectiveからCardanoへINJを移転する双方向の検証が可能になった。現時点で対応するのはテストネット環境のみで、実際の価値を持つトークンは扱わない。

ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが4日(現地時間)に報じた。報道によると、Cardanoが稼働中のオンチェーンIBCルートを通じて他のブロックチェーンと接続するのは今回が初めてという。

今回の統合では、ユーザーはCardanoからInjectiveへADAを移転し、InjectiveからCardanoへINJを戻すことができる。Cardano FoundationとInjectiveは、この取り組みを両ネットワーク間の相互運用性拡大に向けた第一歩と位置付けている。

もっとも、現段階はあくまで検証段階だ。対応するのはCardano PreprodとInjective Testnetのみで、対象は実価値を持たないテストトークンに限られる。

実装の位置付けとしては、商用利用を前提としたブリッジというより概念実証に近い。IBCの仕組みでは、Cardano側で転送が始まるとADAはCardano上のエスクローにロックされ、Injective側で対応するIBCバウチャーが発行される。

資産をCardano側に戻す際は、Injective側でそのバウチャーをバーンし、エスクローされた元のADAを解除する。基礎資産を重複発行せずに、双方向の移転を実現する設計だ。

今回のテストネット稼働は、Cardanoの長期的な相互運用性戦略が構想段階から実装段階へ進んでいることを示す動きでもある。Cardanoは2024年6月、IBC統合計画を初めて公表し、115超のブロックチェーンとの接続構想を示していた。今回の接続は、その計画における最初の稼働事例となる。

技術面での意味も大きい。InjectiveはCosmos SDKを基盤とし、IBCを標準でサポートする。一方、Cardanoでは別途インフラの構築が必要だった。

開発チームは、Cardanoの拡張UTXO(eUTXO)ベースの台帳モデルと、Injectiveのアカウントベースの構造の違いを吸収するため、専用モジュールを開発した。設計思想の異なるブロックチェーン同士を、IBC上で通信可能にした格好だ。

CardanoとInjectiveは、今回の統合が今後本番環境へ移行すれば、ADAはInjectiveエコシステム内で利用でき、INJもCardano上で活用可能になるとの見通しを示した。InjectiveもSNSで、ADAとINJが双方のエコシステムをまたいで利用可能になると説明している。

Cardanoは、他チェーンとの接続も並行して進めている。チャールズ・ホスキンソン氏は2026年2月、LayerZero統合を発表した。この作業により、CardanoネットワークにはLayerZeroエンドポイントのスマートコントラクトが配置された。

これによりCardanoは、EthereumやSolanaを含む80超のブロックチェーンと接続可能な基盤も確保した。

IBCとLayerZeroではアプローチこそ異なるが、狙いは共通する。Cardanoは複数のエコシステムと接続できる構造を拡充し、分散型アプリケーションや流動性、デジタル資産へのアクセス拡大を目指している。

ただ、IBC接続は現時点でテストネットに限られる。今後は本番環境への移行と、対応範囲の拡大が焦点となりそうだ。

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