Segwayは、通勤向け電動スクーターの新モデル「MAX G3 Plus」を発表した。717Whバッテリーを搭載し、安全装備を強化したほか、航続距離の算定基準も見直した。公称の最大航続距離と実際の使用感の差を縮める狙いがある。
米EVメディアElectrekが4日付で報じたところによると、同社はプレミアム通勤向け電動スクーター「MAX」シリーズの新製品として、MAX G3 Plusを公開した。
MAX G3 Plusは、従来モデルより20%大きい717Whのバッテリーを採用した。低出力モードでの最大航続距離は56マイル(約90km)。最高速度は時速28マイル(約45km)、モーターの最大出力は2200Wとしている。
今回の特徴は、バッテリー容量の拡大だけでなく、航続距離の算定基準を見直した点にある。従来のようにバッテリーが完全に放電するまでの距離を測るのではなく、実際の走行環境に近い新基準を採用した。
新基準では、ユーザーが選んだ走行モードで、最高速度の60%を維持できなくなる時点を航続距離の基準とする。バッテリー残量が残っていても、性能低下が生じた時点を数値に反映する仕組みだ。Segwayは、利用者が実際に使える距離に近い情報を示すための変更だと説明している。
公表値ベースでは、MAX G3 Plusの航続距離は従来のMAX G3に比べて約6マイル延びた。ただ、旧モデルも同じ基準で測り直した場合、差は約12マイルになるとしている。
安全面の装備も見直した。従来のハンドルバー側ウインカーに加え、後部ウインカーを追加。ブレーキレバーのデザインや反射板の配置も改めた。さらに、回生ブレーキと機械式ディスクブレーキを組み合わせたインテリジェント統合制動システム(ICBS)を採用し、制動性能の向上に加え、エネルギー回収やブレーキ摩耗の低減にもつながるとしている。
乗り心地と利便性の向上も図った。デュアル油圧サスペンション、調整式リアダンピング、11インチのセルフシーリングタイヤを採用。トラクションコントロールやアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)を備え、Appleの「探す」にも対応する。
このほか、ナビゲーション対応の2.4インチTFTディスプレイ、自動ヘッドライト、ハイビーム・ロービーム切り替え機能、高速充電機能も搭載した。充電時間は通常で約4時間、デュアル充電ケーブル使用時は約3時間としている。
本体重量は55.6ポンド(約25.2kg)で、最大積載荷重は286ポンド(約130kg)。大容量バッテリーと高性能部品を採用するプレミアムクラスとしては標準的な水準といえる。
販売は米国市場から始める。MAX G3 Plusはすでに予約注文を受け付けており、初期価格は1149.99ドル。正式な推奨小売価格は1499.99ドルで、米国での発売は8月25日を予定する。Segwayの公式オンラインストアのほか、Best BuyやAmazonなどでも取り扱う。
電動スクーター市場では、最も低い出力設定と理想的な条件を前提に最大航続距離を示す例が多く、実際の利用感との乖離が指摘されてきた。そうした中、Segwayが現実の走行条件を意識した算定基準を打ち出したことは、差別化要因の一つになりそうだ。
もっとも、MAX G3 Plusの最大航続距離も低出力モードを前提にした数値であり、実際の通勤環境では路面状況や速度、体重などによって変動する可能性がある。新基準の導入が、電動スクーター市場における航続距離表示の慣行に変化をもたらすかが注目される。