ビットコイン採掘のイメージ(写真=Shutterstock)

米テキサス州が、系統接続を申請するデータセンターの新規承認手続きを一時停止した。もっとも、現地で稼働するビットコイン採掘事業者については、既存の電力契約を含めた影響は大きくないとの見方が出ている。

Cointelegraphが4日(現地時間)、Texas Tribuneの報道を引用して伝えたところによると、投資銀行Bernsteinは、テキサスで事業を展開する主要な採掘企業の多くが、すでに承認済みの電力容量を前提に契約を結んでいるとして、今回の措置による直接的な影響は限定的とみている。

今回の措置は、グレッグ・アボット知事が3日、テキサス州公益事業委員会(PUC)とテキサス州電力信頼性協議会(ERCOT)に対し、系統接続を申請している全データセンター案件の監査を指示したことを受けたもの。監査期間は明らかにされていない。現地では、データセンター建設の急増に伴って電力網への負荷が高まり、地域の反発も強まっているという。

Bernsteinは、既存の採掘企業よりも、今後の計画中案件を含むデータセンターの開発パイプラインの方が大きな影響を受ける可能性があると指摘した。調査チームは「今回の監査によって投機的なデータセンター案件は縮小し、実際に開発が進む用地の価値は高まる」と分析。さらに「ビットコイン採掘向け用地は開発期間が長く、インフラを自前で調達し、地域対応の経験もある」とした。

その結果、すでに系統接続の承認を確保した用地の希少性が高まる可能性もある。Bernsteinは「新規データセンター・プロジェクトへの反対が強まり、一時停止措置と州政府の指示によって新たな電力容量の供給が制限されれば、承認済みの電力容量(MW)の価値は一段と高まる」とみている。

企業別では、Cipher Digital、Core Scientific、CleanSparkのテキサス事業が、今後のデータセンター拡張を巡る反対論の影響を比較的受けやすいとした。開発資産の系統接続手続きを進める過程で、とりわけERCOTの承認プロセスに伴う負担が重くなる可能性があるためだ。

一方、IrenとRiot Platformsのテキサスでの採掘事業は、すでに系統接続の承認を確保しているとされる。新規増設が止まれば、承認済み資産を持つ事業者が相対的に有利になる可能性がある。

市場の反応は分かれた。Yahoo Financeの集計によると、Cipher Digitalの株価は4日のプレマーケットで7%超下落した。同社は同日、2〜4月期(第2四半期)決算も発表し、希薄化後1株当たり純損失は0.65ドルだった。前年同期の0.12ドルの損失から赤字幅が拡大した。

今回の措置は、データセンターや採掘施設の誘致に積極的だったテキサス州が、あらためて電力網の審査と地域の受容性を重視し始めた点で注目される。既存契約を持つ採掘企業の運営への影響は当面限定的とみられる一方、今後テキサスで新たな電力容量の確保を目指すデータセンターや採掘プロジェクトは、承認手続きの厳格化と地域の反発という二重のハードルに直面しそうだ。

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