写真=ウクライナ国防省のX。四輪駆動の電動軍用バイク「MUL.E」

モビリティ業界で電動化と無人化の流れが一段と鮮明になっている。軍事分野ではウクライナ軍がドローン充電に対応した電動車両を導入し、米国防総省も再利用型の爆撃ドローン開発を進める。一方、民生分野でもTeslaの中国事業を巡る観測、米ロボタクシー市場を巡る規制対応競争、中国のEV・自動運転投資など、事業環境の変化が相次いでいる。

軍事モビリティでは、戦場での機動性と運用効率を重視した装備開発が進む。ウクライナ軍は、ドローンの充電機能を備えた四輪駆動の電動軍用バイクを導入した。米国防総省も、再利用型の大型爆撃ドローン開発に着手し、最大1200機の試作契約を検討しているとされる。電動プラットフォームと量産型の無人システムを組み合わせる流れは、今後の軍事運用にも影響を与えそうだ。

Teslaを巡っては、中国事業の分離や売却の可能性を巡る観測が市場で広がった。イーロン・マスク氏がTeslaとSpaceXの合併説について明言を避けた後、Teslaの中国事業の扱いを巡る思惑が浮上したためだ。中国事業は生産・販売の両面でTeslaの中核を担ってきただけに、先行きに注目が集まっている。

もっとも、マスク氏は中国事業分離説について「議論されたこともない」と否定した。上海ギガファクトリーと中国のサプライチェーンは同社の競争力を支える重要拠点であり、実際に事業再編に踏み切るかどうかは不透明だ。米中対立やグローバル事業の見直しが進むなか、中国戦略をどう位置付けるかが改めて問われている。

Teslaはまた、熊本県で最大震度7を観測した地震を受け、九州地域のスーパーチャージャー10拠点を期間限定で無料開放する。EV利用者の移動と充電を支援する災害対応の一環だ。

対象は九州5県の計10拠点。熊本、宮崎、大分、鹿児島に各1拠点、福岡県内に6拠点を設ける。福岡県の対象拠点は、北九州、福岡、福岡-東、福岡-博多駅南、福岡-中洲川端、福岡-西。

米国のロボタクシー市場では、本格商用化に向けた動きが続いている。Waymoが運行拡大の過程で規制面の負担に直面する一方、Amazon傘下のZooxはハンドルやペダルを備えない専用ロボタクシーで有償運行の承認を取得した。自動運転を巡る競争は、技術力に加え、規制対応と事業化の速度が勝敗を左右する局面に入っている。

各社の取り組みも広がっている。Kakao Mobilityはモビリティ人材育成に向けたAI教育プログラムをフィジカルAI中心へ転換し、T mapは歩行者向けの徒歩ナビ機能を投入した。Autonomous A2Zは自動運転車のUAE向け輸出を進めている。

中国では、電気自動車に続いて自動運転と充電インフラを巡る競争も加速している。政府支援の拡大に加え、自動車メーカー各社の技術競争が激化しており、将来のモビリティ主導権を握るための投資が前倒しで進んでいる。

自動運転産業の育成では従来計画を前倒しする動きがあり、EV充電では「4分充電」を視野に入れた開発競争も展開されている。電池性能、充電速度、自動運転技術の底上げを同時に進めることで、世界のEV市場に与える影響が注目される。Fordの最高経営責任者(CEO)も、中国のEVが今後5~10年で米国市場に本格参入する可能性に言及し、競争激化に警戒感を示した。

このほか、Yamahaが新型電動スクーターの投入準備を進めているとみられる。明らかになったモデルは、既存のRayZR 125に近い比率を持つ125cc級の電動スクーターとされる。外観は比較的保守的だが、駆動系と車体設計では従来の通勤向け電動スクーターとは異なる特徴があるという。

自転車分野では、State Bicycleが1600ドル未満のチタン製フィックスドギア・トラックバイク「Ti Track」を発売した。高価格帯が一般的なチタン自転車市場で、価格面のハードルを下げる製品として注目を集めている。

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