個人のビットコインマイナーがブロックの単独採掘に成功し、約20万ドル相当の報酬を得た。大規模マイナーが主導する市場環境でも、個人によるソロ採掘の成功例は散発的に出ている。
ブロックチェーンメディアのDecryptoが3日付で報じたところによると、このマイナーはビットコインのブロック960804を単独で採掘し、合計3.15689830BTCを受け取った。採掘時点の価格換算では約20万ドルに相当する。
報酬の内訳は、基本のブロック報酬3.125BTCと取引手数料0.032BTC。該当ブロックには4243件の取引が含まれていた。
今回の事例は、ソロマイナー向けプール「CKPool」で317件目の成功例となる。CKPoolを運営する匿名開発者のDr -ckは、該当アドレスを公表したうえで採掘成功を祝福した。
もっとも、今回のケースは一般的な趣味レベルの小規模マイニングとは異なる可能性が高い。Dr -ckは、このマイナーについて「非常に大きく変動する、おそらくレンタルとみられるハッシュレート」を使っていたと説明した。
ハッシュレートは一時100PHまで上昇したと推定される。小型の採掘機を長期間動かすというより、必要な局面で大規模な計算能力を借りて投入する運用に近いという。
当時のビットコインネットワーク全体のハッシュレートは924EH/s前後で、100PHは全体の約0.011%に当たる。この規模の計算能力を確保できれば、平均すると約64日に1回のペースでブロック発見が見込まれる。一方、100TH/s級の一般的な採掘機を使う個人マイナーでは、期待値ベースの発見間隔は約172年に及ぶ可能性がある。
個人でもマイニングに参加する余地が残る背景には、採掘プールの存在がある。CKPoolのようなサービスは、利用者がビットコインのフルノードを自前で運用しなくても採掘機を接続し、ブロック獲得競争に参加できるようにしている。ブロックを発見した場合は、報酬の2%が手数料として差し引かれる。
個人マイナーによる幸運な成功例は直近でも続いている。4月には約70TH/sのハッシュレートを用いたマイナーが22万5000ドル規模の報酬を獲得した。このほかにも、21万ドル、26万6000ドル、36万5000ドル規模の事例が報告されている。
こうした事例は、採掘難度が上昇しても個人参加者が完全に締め出されたわけではないことを示している。一方で、報酬額の大きさは成功確率そのものより、ビットコイン価格の変動によるドル換算価値の影響が大きいとの見方もある。
現在のビットコインの採掘報酬は、次回の半減期まで1ブロック当たり3.125BTCで維持される見通しだ。次の半減期は約8万9000ブロック後、2028年春ごろと見込まれており、その後のブロック報酬は1.5625BTCに減る。
Dr -ckは、Coldcardのハードウェアウォレットを巡るセキュリティ論争で市場が神経質な動きを見せるなかでも、ビットコインネットワーク自体は正常に稼働していると強調した。今回のブロック採掘も、そうした混乱のさなかに実現したとの見方を示している。
3日のビットコイン価格は約6万3700ドルで推移し、前日比1.1%高だった。予測市場の一部では、追加下落によって5万5000ドル水準を試す可能性も織り込まれており、今後の価格動向とマイニング環境の変化が注目される。