ビットコイン現物ETFのイメージ(写真=Shutterstock)

BlackRockのビットコイン現物ETF「IBIT」から1億2200万ドルの資金が流出し、米ビットコイン現物ETF市場で続いていた3週連続の純流入が止まった。最大規模のETFで資金流出が膨らみ、市場では投資家心理の悪化を警戒する見方が強まっている。

3日(現地時間)、ブロックチェーン系メディアのU.Todayによると、この日の米ビットコイン現物ETF市場は合計2億6537万ドルの純流出となった。このうちIBITの流出額は1億2200万ドルで、全体のほぼ半分を占めた。

IBITは純資産総額(AUM)461億8000万ドルを運用する、米ビットコイン現物ETFで最大規模の商品。市場では、そのIBITでまとまった資金流出が発生した点に注目が集まっている。

U.Todayは、ビットコインの高値圏でETFを買い付けた一部投資家が、直近1年のリターンがマイナス45.62%まで悪化したことを受け、損失確定の売りに動いた可能性があると伝えた。

競合ETFでも資金流出が目立った。Fidelityの「FBTC」は6495万ドル、Ark 21Sharesの「ARKB」は1754万ドルの流出となった。主要なビットコイン現物ETFでそろって流出超となり、ETF経由の売り圧力が市場全体に広がる兆しも出ている。

こうした動きはオンチェーンデータとも符合する。ブロックチェーン分析プラットフォーム「Arkham」のアナリストは、BlackRock関連ウォレットから機関投資家向け取引プラットフォーム「Coinbase Prime」へ1948.07BTCが移動したことを確認した。移動額は約1億2203万ドルで、同日のIBITの純流出額とほぼ一致する。

もっとも、今回の資金流出後もBlackRockは73万7118.26BTCを保有している。これはビットコインの総供給量の約3.67%に相当するという。

市場参加者は、ETFからの資金流出がBTC価格に与える影響にも神経をとがらせている。ビットコインは足元で6万3700ドル近辺で推移しており、週足チャートでは主要な下落トレンドラインを依然として回復できていない。

U.Todayは、一部アナリストの見方として、ETFの売り圧力を背景にビットコインが最長3カ月の底固め局面に入る可能性があると報じた。その過程で、実現価格(realized price)に当たる5万2000ドル近辺まで短期的に調整するとの見方も出ている。

一方、BlackRockはビットコインETFから流出する資金の受け皿として、自社のトークン化金融商品の展開も進めている。直近では、イーサリアム基盤のトークン化ファンド「BSTBL」と、マルチチェーンプラットフォーム「BRSRV」を投入した。いずれも米国のGENIUS法案の枠組みに沿い、米国債や現金、レポ(Repo)などに投資する設計で、価格変動を抑えやすい点が特徴とされる。

市場では、BlackRockがビットコイン現物ETFから流出する資金を、自社のトークン化ドル商品へ振り向ける戦略を強めているとの見方も出ている。現物ETFで始まった資金流出が市場全体に波及するのか、またトークン化商品が新たな投資需要をどこまで取り込めるのかが、今後の焦点になりそうだ。

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